愛の重さ
アガサ・クリスティ
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ローラは寂しい少女だった。 両親の愛は、若くして死んだ兄に向けられ、 さらに生まれたばかりの妹シャーリーがその愛を奪おうとしている。 ローラは嫉妬を覚えた。 だが、家が火災に見舞われ妹を救い出したことで、 ローラは愛する歓びを知り、ひたすらシャーリーに愛を注ぎ込む。 それが妹の重荷になるとも知らず・・・。(裏表紙より)
前半は、子供の時期、身近なものしか関心がない時代、親の愛ほど大切なものはないことを痛いほど感じていた幼いローラの心情が描かれ、ちょっと怖いほどの正直さで、ドキドキしてしまいました。
その後は、成長とともに、妹に対して母親のような愛情に変化してゆきます。
後半は、元宗教家の男が出てきて、宗教色の濃い作品になっていきました。
幼い頃の思いに、ずっと後ろめたい感情を抱いたままだったローラは、真実の愛を知り、解放されてゆく・・・。
中盤以降は、自分自身の心の中を掘り下げてゆく心情が描かれています。
クリスティーのロマンス作品は、どの小説も、自分自身の再発見へと繋がる物語となっていて、心に重くのしかかります。
推理小説では、描くことの出来ない深層心理が、ここぞとばかりに描かれているような気がします。
そして、これは同時に、クリスティの心の情景でもあるのかもしれません。
(2026,08,04)
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