獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199901-151

漢方薬についての私見
投稿日 1999年1月25日(月)15時26分 プロキオン

漢方薬についての私見になりますが、漢方薬に過大な期待を
されない方が良いと思います。別に効かないと言っているわ
けではなく使い方がひじょうに難しいのです。

漢方薬=薬草ではありませんし、鹿やらサイの角やら石膏の
ような土や熊の胆やらいろいろな成分を調合して1つの薬に
調剤してあります。天然の有機物だけが原料ではないのです。
つきつめれば、やはり化合物なのです。
安全性を期待されている場合でも、実際に死者もでることも
あります。漢方は穏やかに効くとは限らないのです。

そして、服用にあたっては「虚実」「寒熱」「表裏」「陰陽」
「気血水」に応じた随証療法によって服用されます。
これらの「証」は漢方医の問診・視診・触診等によって診断
されて服用する薬が選択されるのです。
尿路系の疾患を例にとれば、「おねしょ」から「腎不全による
むくみ」まで一連の症候群として扱われますが、患者の「証」
によって寒の患者と熱の患者ではが逆の作用の薬を用いること
になります。これを間違えると、患者の具合は確実に悪くなり
ます。1つの症状に対して10〜20の漢方薬があるのが普通
です。患者にあわせて薬を使い分けるのが漢方の重要なところ
なのです。
したがって、症状毎に患者に応じた薬剤を全て事前に揃えて置
くというのは獣医師にとってはかなりの負担になります。
また、動物は人間のように薬の効果の自覚を説明してくれませ
ん。3〜4月服用して大分効いてきましたよとは申告してくれ
ませんので、飼い主さんの受けもいまひとつにならざるを得ま
せん。

何よりも、先程述べた「証」に応じた治療を実施するための診
断基準が確立されておりません。
さらに、付け加えるなら 概念上は薬用量もありません。患者
に応じた匙加減になります。(実際にはある程度の幅をもって
薬用量としています)

漢方薬の良いところは病名診断がつかなくても、「証」さえ分
かれば投薬できることなのです。そして、化学薬品では調節が
難しいようなコントロールがきくところにあります。冷え性と
か生理不順なんかが良く聞くところですね。
その他にも期待している効能以外の複合的な効果も見られたり
します。疾病を症候群として捉えているのでしょうね。

例えば、今私の手元にある漢方薬の効能書きを見ると、「夏や
せ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、
脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症」と記載されていま
す。直接結核と記載されているのにも驚きますが、バイアグラ
と同じ効能もあることになります。これは決していいかげんな
薬ではなく、医療用として認可されている漢方薬ですよ。
私はこれらの効能に期待して購入した分けではなく、免疫増強
効果が期待できる漢方薬として購入したのです。

飼い主さんからの聞き取りだけでは、「証」はわからないです
ね。今痩せているからといって、それが本来の体質か否かは定
かではないし、気・血・水も言葉どおり意味でもないし、漢方
薬をマスターするのには、名人達人の元で実体験を積むのが1
番早いかもしれません。
私は漢方薬をデーターベース化したかったのですが、その煩雑
さのために途中で投げ出してしまいました。

動物の場合は患者を診ていても どの漢方薬を投薬するのか判
断できないことがあるはずです。少なくとも、インターネット
で処方するというのは無理があると思います。

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