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イン・ハー・シューズ      


2005年 アメリカ コメディー   

<監督>カーティス・ハンソン
<キャスト>キャメロン・ディアス , トニ・コレット , シャーリー・マクレーン , リチャード・バージ , エリック・バルフォー

<ストーリー>
外見はゴージャスだが、中身の伴わないマギー(キャメロン・ディアス)と、外見にコンプレックスを抱く弁護士の姉、ローズ(トニ・コレット)。一見、正反対の姉妹だが、姉ローズは、マギーの世話を何くれとなく焼いていた。そんなある日、ローズの留守にローズの恋人が家を訪れ、マギーとベッドインしてしまう。その現場を目撃したローズは、思わずマギーを追い出すが・・・。

<感想>
薄っぺらい女同士の感動映画かなと、なんとなく偏見を持ちながら見たのですが、とんでもなかったです。とってもいい映画で感動しました。

同じ親から生まれて、同じ環境で育っても、どうして姉妹(兄弟)って、こんなに違いが出てしまうのでしょう。もし血のつながりがなかったら、絶対ウマが合わないはずなのに、姉妹だと、全く違う個性でも、仲良く、そして、少々のことは許し合えてしまうものなのです。

でも、マギーは、許し合えるボーダーラインを越えてしまいました。
たった一人の頼れる姉を怒らせてしまった彼女は、行くところもなくなり、音信の途絶えていた祖母を訪ねます。
そのことから、彼女たちの生まれ育った環境や、親や祖母との関係が、おぼろげながら分かってくるのですが、それは、思いがけず、過去に苦い思いを抱えた、祖母、そして親たちの姿でした。でも、そんな欠点だらけの人間でも、人は、よりよく生きようという努力を重ね、お互いの欠点を許し、そして、傷ついた心も、時間を掛けて修復することが出来るのですよね。
また、どんな人間でも、どこかに、何かの才能があって、それによって、幸せに生きられるはずなんですよね〜。

ローズのクローゼットの中のたくさんの靴は、穿かれることなく眠っていましたが、それは、そのまま、ローズたちの可能性のようなものでしょうか。
人には、たくさんの可能性が、秘められていて、それを発揮するには、それなりの努力と、ちょっとした勇気さえあればいいんだという気がしました。
難読症によって八方ふさがりだったマギーも、これからは、自分に自信を持って生きてゆくことが出来るでことしょう。
なんだか、とても勇気を貰う事のできた映画です。

マギー役のキャメロン・ディアスは、まさに適役。外見ばかりゴージャスで、内容の伴わないマギー。そんな彼女が、後半、少しずつ、自信を持ち始めるシーンは、感動的でした。
トニ・コレットは、もちろん、演技力のある女優さんなのですが、不思議な女優さんでもあって、すごく不細工に見えたり、美人に見えたり、今回も映画の中で色々な顔を見せてくれて、目が離せませんでした。
祖母役のシャーリー・マクレーンは、さすがの存在感。孫に対しては、優しいだけではなく、時には、突き放してみたり、過去の自分を振り返ったり、人間味溢れるエラを好演していました。(2007,01,14)



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