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美しき運命の傷痕      


2005年 フランス・イタリア・ベルギー・日本   

<監督>ダニス・タノヴィッチ
<キャスト>エマニュエル・ベアール , カリン・ヴィアール , マリー・ジラン , キャロル・ブーケ , ジャック・ペラン , ジャック・ガンブラン , ジャン・ロシュフォール , ギョーム・カネ , ミキ・マノイロヴィッチ

<ストーリー>
22年前に起きた事件によって心にトラウマを抱えてしまった三姉妹のそれぞれの愛。長女ソフィー(エマニュエル・ベアール)は、夫の愛を疑い、次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)は、愛に対して臆病で、三女アンヌ(マリー・ジラン)は、不倫の恋に悩んでいた。そして、彼女たちに転機をもたらしたものは・・・。

<感想>
唐突に始まる話に、戸惑いつつ、見始めましたが、徐々に、彼女たちの人間関係が分かり、そして、どういうトラウマを抱えているかも、分かってきます。
この徐々にというのが、結構くせ者で、分かり始めると面白くなってくるのですが、そこまでが、本当に、???という感じで、大変でした。しかも画面、暗いし・・・(^^;。

ただ、終わってみると、これがなかなか重くて、怖い映画なんですね〜。三姉妹の不遇な愛を形作ったかもしれない子供の頃のトラウマの元となった父の死。なぜそこまで、母親は、父親を追いつめてしまったのか。そして、子供たちまでも・・・。
次女が通う老人ホームにいる母親のあの冷たいまなざしが怖ろしいです。
そして、実は、最初にゾッとするのは、タイトルバックの鳥の映像。実際に、こういう鳥はいるそうですが、あの羽毛が一本も生えていない幼いひな鳥の本能の怖ろしさは、筆舌に尽くし難しという感じでした。

この映画、4人の女優の競演というように見ても、見応えたっぷりです。
長女のソフィ役は、実年齢でも、一番上のエマニュエル・ベアール。それにしても、美しい40歳です。体型も、まだまだ全然綺麗ですね〜(^^)。でも、男にとっては、そんなソフィーも、ちょっと怖くて、うっとうしい存在なのかもしれませんーーー。ここら辺は、男性の意見を伺ってみたいところでもあります。

次女セリーヌは、老人ホームに入っている母親を見舞ったり、近所の老人の世話をしたり、かたくなに無機質な生活をしていて、ある男性の、彼女への思いにも気づく事もありません。
三女アンヌは、父親のように年の離れた男性と不倫関係で、別れを切り出されても、思い切れずに、ストーカーまがいなことまでしてしまいます。

女性陣の他にも、ジャック・ペランや、ギョーム・カネ、そしてジャン・ロシュフォールまで出ていて、とても豪華です。

この映画の原作は、故クシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺稿が原案となっていて、なんと、題名は、「L' ENFER」=「HELL」=「地獄」です。
邦題は、どこかロマンティックなイメージなのですが、この原題を見ると、なるほど、それで彼女たちの愛の物語は、地獄の様相を呈しているのだなと分かります。(2007,04,08)



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