イル・ポスティーノ：シネマチェック：

イル・ポスティーノ　　　

１９９４年　イタリア・フランス　コメディー・ロマンス

＜監督＞マイケル・ラドフォード
＜キャスト＞マッシモ・トロイージ , フィリップ・ノワレ

＜ストーリー＞
イタリアの小さな島。その島に住むマリオ（マッシモ・トロイージ）は、漁師になることをいやがり、求人が出ていた郵便局で働くことになった。彼の仕事は、チリから亡命して島に滞在中の有名詩人パブロ・ネルーダ（フィリップ・ノワレ）宛の郵便を彼の元に届ける仕事。彼の元に通ううち、マリオは、詩のすばらしさを知るようになる・・・。

＜感想＞
この作品も、いつか見てみたいと思っていたのですが、やっと見ることが出来ました。
といっても、内容はともかく、題名の意味も知らなかったのですが、「イル・ポスティーノ」＝「IL POSTINO」（イタリア語でしょうか？？）で、英題は「THE POSTMAN」。映画の最初に、これが出て、あぁ、ポストマンの話か～と分かった次第です(^^)。

純朴な島の青年が、偉大な詩人の影響で、詩の美しさに魅せられる物語です。
詩とは何か、隠喩とは何か。どんな問いにも偉大な詩人は、億劫がらずに答えてくれます。
そして、彼から得た知識で、青年は、自らも、感じたことを詩にするすばらしさを、教えられてゆきます。
この二人のシーンがとても微笑ましくて、良かったです。詩人の言葉一つ一つを丁寧に吸収してゆく青年マリオ。その目の輝きが印象深いです。
そして、詩人が祖国に帰っていった後、詩人の愛した島の、様々な音を録音するマリオの姿は、それまで以上に、優しさと、自信にあふれているようでした。

青年、マリオを演じているのは、イタリアの喜劇俳優マッシモ・トロイージ。彼は、映画の脚本にも参加していましたが、この映画を製作しているときにはすでに病魔に冒され、クランクアップ直後に他界されたそうです。
そして、実在の詩人、パブロ・ネルーダを演じたフィリップ・ノワレ氏も2006年11月23に、亡くなられました。お二人のご冥福をお祈りします。そして、素敵な映画を残してくれてありがとうございました。(2008,02,22)