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牛の鈴音      


2008年 韓国 ドキュメンタリー   

<監督>イ・チュンニョル


<ストーリー>
韓国の美しい自然の残る山あいの農村で、農業を営む老夫婦。彼らの農作業を手伝うのは、40歳の年老いた牛。夫婦も牛も、共に年を取り、身体も思うように動かなくなってきていたが、老人は、それでも、牛を手放そうとはしなかった・・・。

<感想>
韓国で大ヒットしたドキュメンタリーです。
苦手なドキュメンタリー、しかも牛の?!(^^;と、最初は、気乗りがしない映画鑑賞でしたが、よかったですねぇ〜。
韓国で、大ヒットした理由も、分かるような気がします。

とはいえ、特別、ドラマチックだとか、スペクタクルだとか、そんなことは一切ありません。
最初から最後まで、寡黙な老人と、その妻の愚痴、そして、ゆったりした牛の動きに終始する映画です。
でも、その繰り返しの中に、人間の営みと、家族同様に飼ってきた牛への愛情が感じられて、目を離すことが出来ませんでした。

ナレーションもなく、妻の愚痴の繰り言と、牛の鳴き声が聞こえるだけ。
だからなのか、やたらと、その他の音・・・題名の牛の鈴音はもちろん、ラジオから流れる歌、耕耘機の音などが、大きすぎるほどの音量で流れるのが、少々耳障りでしたが、それもご愛敬でしょう(^^)。

老人の仕草や、眼差しに、牛への愛情が感じられて、二者のつながりの深さが感じられます。
もしかすると、本当に彼は、口うるさい妻よりも、牛の方を愛おしく思っていた?のかも(^^)。

それにしても、”老人”とは、なんて奥深い人間(いきもの)なのでしょう。
普通に座っているだけでも、いろんな事を物語っているようで、そして、何となく、ユーモラスにも感じられるんですね〜。
上映中は、そこここから、笑いが漏れていました。
結構楽しい映画でした〜〜(^^)。(2009,12,27)






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