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さよなら渓谷      


2013年 日本
   

<監督>大森立嗣
<キャスト> 真木よう子 , 大西信満 , 鈴木杏 , 井浦新 , 新井浩文 , 大森南朋

<ストーリー>
尾崎俊介夫妻(大西信満、真木よう子)の住むアパートの隣に住むのは、幼児殺害事件の容疑者だった。彼女が逮捕されたことで、大騒ぎしていたマスコミは去って行ったが、一人の記者(大森南朋)が俊介を調べ始める・・・。

<感想>
(ネタバレ含みます)
静かな渓谷の町で起こった幼児殺害事件を発端として、ある夫婦の過去が明らかになってゆく物語です。
原作は、吉田修一さんの同名小説。
未読ですが、原作も読みたくなってしまいました。

映画は、激しいベッドシーンから始まります。
洋画なら、こういうシーンも、平気ですが、邦画やアジア系の映画の、この手のシーンは苦手です。何故か痛々しい感じがして・・・どうしてなんでしょうかね??(^_^;。
だから、この映画も、ちょっと苦手かも・・・?と思いながら見始めました。

物語の中軸を担うのは、俊介が過去に起こした事件。
それは、最近、現実社会でも話題になることが多い、卑劣な集団レイプ事件でした。
事件によって一変した俊介の人生を、記者が丁寧に調べてゆきます。
加害者である彼の人生が狂うのは、自業自得ですが、被害者の女性のその後も、事件の影が付きまとっていたのでした・・・。

社会の不寛容が、被害者にもおよぶことに、痛々しさを感じます。
と同時に、本人も自分自身に対して不寛容になってしまうこともあるのかもしれません・・・被害者なのに(T_T)。
終盤に、ある事実が分かります。衝撃でした。
それを知ったことによって、二人のあの激しいベッドシーンも、違う意味を持って感じられました。

被害者と加害者という枠にはまりながらも寄り添う二人。
それでも、頑なに幸せを拒む彼女の心を、彼はこれから、溶かしてゆけるのでしょうか・・・。

監督の大森立嗣さんは、この映画に記者役で出演している大森南朋さんのお兄さんです。
お二人のお父さんは、俳優の麿赤兒さんなんですって!知らなかった〜。(2017,02,18)



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