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セッション      


2014年 アメリカ (WHIPLASH)
音楽   

<監督>デイミアン・チャゼル
<キャスト> マイルズ・テラー , J・K・シモンズ

<ストーリー>
ジャズドラマーを目指すニーマン(マイルズ・テラー)は、名門音楽大学の一年生。ある日、学校で練習していた彼は、フレッチャー教授(J・K・シモンズ)の目にとまり、彼のバンドにスカウトされる・・・。

<感想>
J・K・シモンズがアカデミー助演男優賞を受賞した話題の映画、やっと見ることが出来ました。

予告編で、暴力的な厳しい練習風景を見た時は、ちょっとビビって、見るのを尻込みしそうでしたが、本編は、それ以上の”しごき”練習の連続でした(T_T)。

少しの音程の狂い、リズムの乱れをも容赦しない授業。
もちろん、音楽家のプロになろうとするのですから、当たり前のことなのでしょうが、それはそれは、厳しいものでした。
私などには、いったいどこが、どう違うのやらさっぱり分かりませんでしたが、聞く人が聞けば、分かるのでしょうかねぇ。

ただひたすらに、自己否定され、それでも、自分の才能を信じて練習する日々。
でも、それが自分を高めていくと信じて、彼らは文字通り血のにじむような努力を重ねるのでした。

しかし、フレッチャーにとっては、どうだったのでしょう。
自分が満足する至高の音楽を求めているだけで、学生は使い捨てのようにも見えました。
それでも、彼に、真摯な人間性を感じようとしながら見ていた私は、フレッチャーの流した涙が、真の涙と信じたかった。
しかし、彼は、ただ、自分が求めていた音楽の才能を失ってしまったことに涙したに過ぎなかったのでしょう。
いったい彼の追い求めた音楽のために、何人の若者が音楽家への道を閉ざされ、挫折し、諦めたのでしょう。
見ている時は、彼を追放した大学の損失を大きいと感じたけれど、最後には、実は、もっと早くそうすべきだったのではと思えてきました。

ラストの主人公は、恩師?を圧倒し、彼を超えるほどの狂気を身にまとっていて、してやったりと、達成感をも感じました。
ふぅ〜、冒頭から、ラストまで、緊張感が映画全体を包み、終わった時には、ぐったりしてしまいました(^_^)。(2015,06,07)



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