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その男ゾルバ      


1964年 アメリカ・イギリス・ギリシャ (ZORBA THE GREEK)
アドベンチャー

<監督>マイケル・カコヤニス
<キャスト>アンソニー・クイン , アラン・ベイツ

<ストーリー>
亡き父が残した炭鉱を再開するために、ギリシャのクレタ島にやってきた英国人作家バジル(アラン・ベイツ)。彼が、船の出航を待つ間に出会ったのが、ギリシャ人のゾルバ(アンソニー・クイン)だった。人なつこいゾルバは、そのまま、バジルについて、村にやってきたのだが、その小さな村では、いろいろな出来事が起こる・・・。

<感想>
アンソニー・クイン。
名前は、知っていても、顔が分からなかった俳優さんなのですが、なるほど、彼ですか。

スクリーンに、彼が登場したとたんに、なぜだかとても惹きつけられました。
決して、ハンサムというわけでもなく、品があるわけでもなく、どちらかというと、大仰で、図々しくて、そして、明るいその男、ゾルバ!
彼と、世間知らずなイギリスの都会育ちの、バジルとは、全く対称的な二人。
でも、それぞれに足りないところを補って、とてもいいコンビになってゆきます。
特にゾルバは、人生経験も多く、バジルの世話役兼、秘書兼、相談係のような感じです。

バジルにとって、ギリシャは異国の地。
その土地の風習も、何も分からない彼にとって、酒場でのシーンは、不可解で、不気味にも感じられた事でしょう。
見ている私も、何が起こっているのか、全く分かりませんでした。
そして、このことが、終盤の悲劇にもつながってゆくのです。

印象的な人たちも出てきました。
島に着いて、泊まることになったホテルの、女主人。
彼女のキャラは、強烈で、彼女自身も、一度見たら忘れない女優さんです。
先日見た「引き裂かれたカーテン」で、この人誰?!と思った女優さんだったことも、すぐに思い出しました(^^)。
明るいけれど、悲しい彼女のキャラ。とてもインパクトがあります。
彼女は、この演技で、アカデミー助演女優賞を獲得しました(^^)。

そして、黒い喪服?に身を包んだブブリーナ。
彼女に関する話は、あまりにも理不尽で、憤りさえ感じました。
島の閉鎖性や、男女の地位などにも、関係するするのかもしれません。
それにしてもねぇ・・・。
ゾルバが出て行っても、あれだったのだから、しょうがなかったのだろうけど、
バジルには、もっと頑張って欲しかった・・・(T_T)。

ラストも、あんな感じで、結局、ハッピーエンドではないのだけれど、
それでも、ゾルバが踊るあのダンス。
何が起こっても、気持ちだけは、明るく。
そして、ダンスを踊ったら、なんだか楽しくなるんだよ。というような、ポジティブ感がとってもいいです。(2011,04,02)



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