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ヒトラー 〜最期の12日間〜      


2004年 ドイツ・イタリア 歴史・戦争   

<監督>オリヴァー・ヒルシュビーゲル
<キャスト>ブルーノ・ガンツ , アレクサンドラ・マリア・ラーラ , ユリアーネ・ケーラー , クリスチャン・ベルケル , ミハエル・メンドル , ウルリッヒ・ノエテン , ハイノ・フェルヒ

<ストーリー>
ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)の秘書に選ばれたトラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)は、1945年4月20日、戦況が、終末を迎えた時点で、ヒトラーと共に首相官邸の地下要塞へ潜った。そして、ヒトラー政権の最期を見守るのだった・・・。

<感想>
誰でも知っている独裁者、ヒトラーの、最期の12日間を内部から描いた作品です。
断片的に、彼の最期は、聞いたこともありましたが、こうして、ちゃんと描かれたものは、初めて見たので、なかなか興味深かったです。
しかも、映画の製作は、ドイツとイタリア。こういう事に関して、ドイツの姿勢は、本当に立派だと思います。それに引き替え日本は、未だにグズグズと・・・情けないですねぇ。

当時、どういう戦況にあったのか、詳しくは知らないのですが、ヒトラーは、ベルリンを死守しようとしていたようです。周りの部下たちは、とっくに、もうそれは無理だと分かっていたのに、ヒトラーを説得できなかった彼らのこのような弱腰が、彼の独裁を許した大きな原因なのでしょうねぇ。
事ここに至っては、もうどうすることも出来ないと分かり、酔いつぶれている将校?もいたり、ヒトラー自身も、もうほとんど狂気の様相を呈していて、憐れですねーーー。

「アドルフの画集」という映画にも描かれていたように、ヒトラーという人は、最初から自信満々のカリスマの持ち主だったわけではなく、ただ、演説が上手くて、人を惹きつける力があっただけの、本来は、気弱な男だったようです。そんな彼の地が、最期の時を迎えて再び現れてきたように感じました。
豪華な服を全てはぎ取られた事に気づいた裸の王様というところでしょうか。
でも、彼には、長年愛人だったエヴァ・ブラウンと、愛犬が残っていたのが救いでしょうか。
ユダヤ人や、国民には、冷徹だったヒトラーは、身内には、とても細やかな愛情を持っていたように描かれています。

秘書で、この映画の主人公でもあるユンゲは、彼と共に最後の最後まで地下要塞で暮らし、その後、ヒトラーの死を見届けてから、脱出しています。
なんの罪にもとがめられなかった彼女ですが、インタビューで、「知らなかったということだけではすまされない。」と、語っていたのが印象的でした。
それは、他の一般の人にも言えることですが、ただ、難しいことでもあるんですよね。国がメディアを利用して国民を洗脳しようとしたら、それは、いとも簡単なことなんですから。一人一人が、何が起こっているのか、起ころうとしているのかを、目を見開いて、見極めていく事が、とても大切なことなのですがーーー。

ヒトラー役を演じたブルーノ・ガンツが、すばらしいです。狂気の中にいるヒトラーと、秘書たちに接するときの優しげなヒトラー。二つの顔を演じ分けて、ヒトラーの知られざる一面を見せてくれました。本当に、こんな感じの人だったのかな。
決してヒトラーを美化することなく、内部から見た、ヒトラーの最期の時を、淡々と描いた価値ある映画だと思いました。155分と、ちょっと長いんだけどね(^^;。(2006,11,25)



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