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冬のライオン      


1968年 イギリス (THE LION IN WINTER)
歴史   

<監督>アンソニー・ハーヴェイ
<キャスト>ピーター・オトゥール , キャサリン・ヘプバーン , アンソニー・ホプキンス , ティモシー・ダルトン

<ストーリー>
1183年のクリスマス。イギリス国王ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)は、三人の息子、リチャード(アンソニー・ホプキンス)、ジェフリー(ジョン・キャッスル)、ジョン(ナイジェル・テリー)と、幽閉中の王妃エレノア(キャサリン・ヘプバーン)を城に招集し、王位継承についての話をする。それぞれの思惑が渦巻くなか、ヘンリーは、息子たちの本心を知り、愕然とするのだった。

<感想>
内容をよく知らないまま、先日亡くなったピーター・オトゥール(2013,12,14没)の作品ということで、見てみました。

最初は、人間関係がよく分からず、お正月のお屠蘇気分もあったりで、うつらうつらしてしまい、挫折しそうになりましたが、最初の方を何回か繰り返して見るうちに(^_^;、その関係も、よく分かってきて、終盤は、彼らの、骨肉の争いぶりがすさまじくて、すっかり目が覚めて、見入ってしまいました。

遅まきながら、見終わってから、改めてヘンリー2世のことを調べてみると、このクリスマスの年に、跡継ぎと決めていた若ヘンリーが、病死していて、そこから、世継ぎ問題が、再燃したことがわかります。
とはいえ、映画の中では、優等生的に語られていた若ヘンリーも、若い頃は、父親に反旗を翻したとか。
結局彼は、全ての息子たちと、そして妻にまで裏切られてしまったわけで、彼の苦労、心労は、大変なものだったのでしょう。

「アラビアのロレンス」では、優男で、ひょろりとした印象だったピーター・オトゥールでしたが、この映画では、がっしりとした体型だったと言われるヘンリー2世そのままに、頑丈そうで、精力にあふれたヘンリーになりきっていました。
愛するべき対象の妻や、息子たちに裏切られながらも、肉親としての愛情を捨てきれない男の辛さを、痛々しくも、見事に体現していました。

また、この映画で、3度目のアカデミー主演女優賞を獲得したキャサリン・ヘプバーンは、さすがの貫禄。
彼女もまた、愛情と、策略の狭間で、揺れ動く女王を凛々しく演じていて、思わず、引き込まれてしまいました。
他のキャストも、豪勢で、あれ?どこかで見たことがあるーーー??と思った長男、リチャード役は、なんと、これが映画デビューのアンソニー・ホプキンス。
そして、フランスの若き王、フィリップ役には、ティモシー・ダルトン(彼も、映画デビュー作)が出演しています。

そんなわけで、正月早々、見応えのある歴史劇を見ることが出来ました。(2014,01,02)



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