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やさしくキスをして      


2004年 イギリス・ベルギー・ドイツ・イタリア・スペイン ロマンス   

<監督>ケン・ローチ
<キャスト>アッタ・ヤクブ , エヴァ・バーシッスル

<ストーリー>
スコットランド・グラスゴーで、高校の教師をしているロシーン(エヴァ・バーシッスル)は、ある日、生徒の兄、カシム(アッタ・ヤクブ)と出会い、恋に落ちる。二人は、スペイン旅行に出かけるが、そこで、カシムは、自分は、数週間後に、親の決めた婚約者と結婚すると、告白する。当然ロシーンは、激怒するが、彼の事情は複雑だった・・・。

<感想>
う〜ん、どうすればいいのか、どうすべきなのか、頭を抱えてしまいました。
愛し合う若い二人。それぞれに事情はあるものの、普通ならば、ちょっと折り合いをつければ、結婚したり、同棲したりすることなんて、簡単!と思っていたのに、この映画を見て、そんな簡単なことではないこともあると思い知らされます。

家柄、文化、人種、宗教・・・。愛する二人の障壁はいろいろありますが、この二人の場合は、その壁がとても大きかったです。移民のコロニーの結束の強さ、国に対する郷愁と、その文化を守ろうとする本能的な排他主義。今まで見てきた映画でも、そういう話は、ありましたが、この映画における移民パワーは、一番強かったし、深刻だったと思います。
ロシーンとカシムが結ばれたことで、彼の家族が崩壊するのを見るのは辛かったし、ロシーンの立場からすれば、「信じられない!」思いで一杯だろうと思います。

結局、昔ながらの風習を守るのか、新しい世界に飛び出すのか。その選択は、一生の選択として、彼らの肩にずっしりと食い込むのでしょう。
また、それらの壁を破ることによって、人種や、民族の垣根が取り払われ、薄められてゆくのだろうと思います。それが、いいことなのか、悪いことなのか・・・。
取り残されたカシムの親や、姉は、かわいそうでした。

ロシーン役のエヴァ・バーシッスルは、ナオミ・ワッツ似の金髪美人ですが、「プルートで朝食を」にも、出演したそうです。気がつかなかったわ〜〜。(2007,10,30)



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