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ロード・オブ・ウォー      


2005年 アメリカ 犯罪   

<監督>アンドリュー・ニコル
<キャスト>ニコラス・ケイジ , イーサン・ホーク , ブリジット・モイナハン , ジャレッド・レトー , イアン・ホルム , ドナルド・サザーランド

<ストーリー>
ウクライナ出身のユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、父親の経営するレストランを手伝っていたが、ある日、弟(ジャレッド・レトー)と、武器売買を始めた。その事業は、うまくゆき、どんどん商売を広げ、世界的な武器商人へとのし上がってゆく。そんなユーリーをバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)が追い詰めようとするのだが・・・。

<感想>
武器商人として大成功を収めた一人の男の物語です。
一見普通のセールスマンの彼が、扱う商品は、なんと、人を殺す道具だったのでした。

オープニングに映るのは、ある一発の弾丸の一生。
大量生産の工場で、まるでネジの1本のようにして生まれた彼は、いろいろな行程を経て、そして、一人の命を奪うのです。
工場で、弾丸を作る人、それを運ぶ人、売買する人は、この商品の行き着き先を想像することはないのでしょうか。それは、想像力の欠如と言うよりは、あえて、そんなことは考えないようにして、自分の生活のために働いているだけなのでしょうねぇ。

右も左も分からない武器商売に飛び込んでいったユーリーは、元から、商才があったのでしょう。あれよあれよという間にその道では一目置かれる男にのし上がってゆきます。
彼のその時々のピンチとチャンスにおける機転は、天才的でした。
どうして冷戦が収束したら、武器商人が喜ぶのか、私には、一瞬分かりませんでした・・・(^^;。
こんな風に世界は、回ってゆくんですねぇ(^^;。

飄々としていながら、したたかなこんな役をやらせたら、ニコラス・ケイジは、うまいですねぇ。っていうか、どんな役でも、彼は、うまくこなすのですが、この役は、彼以外では、ちょっと考えられません。
たくさんの人間の死の”素”を売りながら、自分自身は、人を殺すことに抵抗を感じる彼。同じ一人の人間なんですけどねぇ。

ニコラス・ケイジの弟役は、ジャレット・レトー。この映画の彼は、いつもと変わらず素敵な彼ですが、最新作「チャプター27」では、人が変わったようになっていたので、びっくりしました。役作りだそうなので、よかったですが・・・(^^)。

「死の商人」を扱った重い内容なのですが、あまり重さを感じさせない、さらりとした映画に仕上がっていました。(2007,12,06)



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