獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199807-102

メグママさんへ・・・Re.更年期障害
投稿日 1998年7月15日(水)18時32分 イブ

はじめにお断りしておきますが、私は獣医師であって医師ではないので更年期障害という医学用語の本当の定義を知りません。そしてたぶん私の知る限り獣医学において更年期障害という病名はないと思います。その上での話ですので、以下のことは私個人の考えとして読んでください。もし、もっと詳しくご存知の先生がいらっしゃればどうぞ書き込んでください。お願いします。


さて、私の知る限り、「更年期障害」とは閉経期の女性に起こる健康上の障害のことで、例えば、耳鳴り、肩の凝り、動悸、のぼせ、等おもに自律神経の失調が原因になっているものの症状一般を言っていると思います。それを犬、猫にあてはめて考えた場合ですが、はっきり言ってこういう事はあまりないと思います。猫が肩凝ったなんて、なんか笑っちゃいますよね。でも、本人に聞けばあるのかもしれない。むずかしいですね。

更年期障害とは言わなくても、避妊手術をしてなにか弊害はないのかどうか?ということを聞きたいのではないかと思いますので、そのことについて少しお話します。
避妊手術とは、妊娠させないようにする手術のことで、方法として大体3通りの方法があります。
ひとつは、卵巣子宮全摘出手術といわれるもので、卵巣も子宮もとってしまう手術です。これが現在最も一般的に行われている方法です。
二つ目は、卵巣摘出手術で、卵巣だけとって子宮は残しておく方法です。この方法は、傷口が小さいなどの利点がありますが将来子宮蓄膿症などの子宮関連疾患を患う可能性が残ります。子宮は、子供を作る時以外あまり必要でない器官ですから、どうせなら疾病予防の意味も兼ねて同時摘出の方がいいと思います。
三つ目は、子宮摘出手術で、子宮だけとって卵巣は残しておく方法です。人で、子供を産めなくする手術といえばこの種類です。卵巣は子宮と違い、生殖に関すること以外にもホルモン分泌器官として、生体においてとても重要な役割をする器官です。だから、人ではできるだけ卵巣を残す方法で避妊手術をするわけです。ところがどっこい、動物の場合はこれではちょっと困るのです。なぜなら、この卵巣こそ性欲を司り性欲に伴う問題行動を起こさせる原因になっているものだからです。卵巣をとらなければ、避妊手術をしても発情を抑えることができません。それで、動物の場合は卵巣子宮全摘出手術が一般的に選択されるわけです。
避妊手術に伴う弊害といえば、この卵巣摘出による影響が一番心配されるところです。すなわち、太りやすくなる、骨代謝に影響が出るかもしれない、内分泌性皮膚疾患になるかもしれない、といったことです。しかし今のところ、そうなり易いというしっかりした統計学的データはありません。反対に、避妊手術をした動物の平均寿命は、手術をしていない動物の平均寿命より明らかに長いというデータがあります。

ということで、私の考えをまとめますと、
人と動物が共存する上で、繁殖のコントロールも含めて発情が問題となるならば、避妊手術をした方がお互いの幸せにつながるし、動物の身体にとってそれほど有害とは思えない。
しかし、避妊手術をしなくても共存上何ら問題がないのであれば、する必要はない。
ということです。


二日くらい前に、避妊手術についての私見を述べた発言があります。あわせて読んで頂けるともっとよく理解してもらえると思います。

なお、避妊手術した後の生活で気を付けなければならないことは、体重のコントロールです。太らせないようにしてください。あとは、適度な運動と日光浴。その他は、避妊していてもいなくても同じです。

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