獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200306-231

RE;フィラリアについて
投稿日 2003年6月27日(金)02時24分 わたらい先生

こんにちはそらさん。
この病気の治療方針は獣医師によって著しく変わってくるように思います。
とりあえず、高齢犬で検査数値に異常もあるのであれば、注射による成虫駆除はよした方が良いと思います。
虫体数も1匹や2匹の話ではすまないでしょうから。

僕や、僕の修行した病院でよくやっていたのは、期間中の予防量でのフィラリア予防薬の内服と、対症療法(心臓の薬等)のみで保たせられるだけ頑張るというモノでした。
殺ミクロ(幼虫の駆除)には熱心ではありませんでしたが、行うこともありました。
食欲も元気もあり、特に薬による諸々の副作用の現れない患者さんであれば、かなりの期間生存することもあります。

急性フィラリア症についても、僕のいた病院では病気を見つけるとすぐに手術の話をしていましたが、他の病院の先生は必ず内科的に治療して何日かした後で手術をするかしないか決めていました。
コレなど、土地柄のせいか立ち上がることもできなくなる頃になってようやく病院に連れてくる飼い主さんが多かったからかもしれません。(待ちきれなくて)診察中や直前に呼吸が止まる患者さんがよくいました。
成績も悪く、僕なんかだと30%位しか助けてません。

Big 1先生のレスにあるように、具合の良さそうな時期に虫体摘出を行うのも方法です。
慣れた先生がやると、まさに「神のメス」のごとく患者さんが元気になります。

急性フィラリア症の時以外の手術は、僕はやったことがありません。
僕の勤めていた病院の院長は、(急性フィラリア症の時以外は)「絶対にやらない」という方針の方でした。
手術をしない病院は、期間中の予防や対症療法を選択していると思います。
ただこれも、病院によって細かいところで違うことがあるみたいです。

最終的には、その方法で治療した時のその病院の治療成績が大事だと思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。