獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200911-35

Re:Felv感染猫のことですが
投稿日 2009年11月18日(水)11時08分 投稿者 プロキオン

記載内容を拝見するに、猫は若い猫ということですよね。とすると、リンパ腫であっても縦隔腫瘍の形態が一般的であると思われます。事実、縦隔腫瘍が形成されているような記述もありますよね。これが、脳に転移するかというと、どうなんでしょう? 個人的にはあまり見聞きしたことがないですし、記述の中にも「3本脚で走る」というような箇所があり、中枢というよりも抹消神経ではないかと感じさせられるところもあります。顔面麻痺というのも必ずしも脳をさししめしているわけでもないでしょう。これらの症状をもって脳に腫瘍が存在すると解釈してしまうわけにはいかないように思います。まずは、キチンとレントゲン撮影をされることが前提だと思います。
また、大学病院でなくても大きな病院であればCTを設置してある病院も増えてきておりますので、確認したいのであれば、そちらへ行かれるのがよいでしょう。

仮に脳に腫瘍が確認されたとして、現段階ではそれはリンパ腫によるものなのか、神経組織に由来する腫瘍なのかは分かりません。同一視するのは早計です。というのは、腫瘍にはそれぞれどのような化学療法剤(所謂、抗癌剤)を摘要するかという問題があり、腫瘍細胞に効果がある薬剤の選択がなされなくてはなりません。
今の時点で、脳腫瘍には○○は効果がないと言ってしまうのは、フライングスタートであって、腫瘍のできた場所で効く効かないを決めてしまうべきではないでしょう。脳という組織は脂質に富んだ組織でありますし、脳脊髄液関門という薬剤や病原体の侵入を拒む関所があります。さらに免疫系の細胞もリンパ球ではなく、グリア細胞に大きく依存しています。つまり、ちょっと毛色が変わった組織なのです。
また、これは無理も無いことと思われますが、FeLVとリンパ腫を一緒にされております。
でも、白血病ウイルス感染症と腫瘍(肉腫)は別々に分けて考えられた方が、治療方針ははっきりとするのではないでしょうか。
縦隔にできたリンパ腫であれば、それに応じた抗癌剤を選択使用するべきであり、このリンパ腫であれば、さまざまな成書に記載があります。まずは、これに的を絞ること、その次に脳に腫瘍が存在するか否かの確認をすることです。何が効くかというのは、腫瘍の正体が分かってから考えることです。正体によっては有効なものがないということもありえないわけではありませんが。
抗癌剤というような化学療法剤は、メリットだけではありません。必ず、少なからずのダメージを患者に与えてしまうものです。で、あれば、闇雲に投与するというのではなく、相手の正体に合わせて選択肢、必要最小限で済ませるように考慮するべきではないかと考えます。
そういう意味からも、私は治療中はサプリメントの投与は控えて欲しいと思っています。少なくとも、主治医には申告して現在投薬している薬剤と競合しないことを確認してからにしていただくのが順当なところかと思います。

投稿内容を拝見するに どうもsayakaさんは、一足飛びに先の結果を欲しているように感じました。医学も獣医学も一歩ずつ、一段ずつ進んで行くものであって、一つ一つの積み重ねがないと先へ進めないものです。AさんとBさんが同じ人間という生き物であっても、Aさんに起きたことがBさんの人生に起きるということではありません。同じ病気であっても同じ薬が同じ薬用量で同様に効果がでると言う保証はありません。うっかりするとAさんに効果があった薬でも、Bさんではアレルギーが発生してしまうかもしれません。
方向や大まかなところでびっくりするほどの差異は、まあないのでしょうが、それでも一足飛びではなく、着実に足元を見ながら進んでいった方が危ない目にはあわなくてすむのではないでしょうか。ひとつずつ確認しながら進んでいく事が重要だと思います。

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