獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-201110-36

Re:警戒区域内の家畜達
投稿日 2011年10月28日(金)11時42分 投稿者 プロキオン

>、牛は馴染みがないので報道に接するまで、顔面の手綱のことには思いが至りませんでした。

もとより、肉用牛の飼育現場を訪れるという機会がありませんので、無理もないことですし、それになにより、「顔に食い込むまで」というのは、通常は農家が放置しておかないので、獣医師でもあまり目にする機会はないことですね。

この顔の手綱というのは、ひじょうに重要で、鼻環が入っていない牛であれば、あとは、この顔の手綱しか保定の手がかりとなるものがありません。この綱があれば、パドックの中を追いかけても手がかりとなって牛を捕まえることができます。大抵の場合は、この綱をつかまえる事になります。
もし、なければ、カウボーイのように投げ縄で角にロープをかけて、そのロープを鼻梁にまわして、大人しくさせます。首にかけたのでは、牛の力の方が強すぎて、言う事をきかせるのもなかなか困難です。
ですから、この顔の手綱が使える使えないは、牛の世話をする上でも大切な事であって、手入れが行き届いている農家では、遭遇することもないと思われます。

また、そのような手綱が顔に食い込んでしまっている牛がいるようであれば、真菌による皮膚炎がないかとか、尿石症の徴候の出ている牛はいないかとか、蹄は大丈夫かとか、餌として独特のものが給餌されていないかとか、いろいろ診てまわらないとならないです。


渡辺眞子さんの言っておられることは、理解できるように思います。
私に牛の取り扱いを教えてくれた先輩獣医師は、かなり手順を大事する方でした。他の獣医師がてんで勝手に牛に取り付くのを制して、牛の個体確認を優先させていました。
何もなければ、どうということはないのですが、何か一つ誤りがあった場合に、正しい事が分からなくなってしまい、どの牛のデーターなのかが分からなくなります。また、検査値の話しだけでなく、各々が手近の牛に取り付くことで、近くにいた別の者が牛に怪我をさせられるという事態もあり、面倒なように見てても、手順を踏んで確実に業務をこなしていくことが再検査や怪我をしないで済む方法だとしていました。
獣医師であったある牧場長も、教えてくれたのは、牛をつなぐロープの結び方からでした。腕力や体力に恵まれない者であれば、まず、基本的なことから学んでいかないといずれは立ち往生することになります。

自らの体力や技能を考えることなく、ただ、助ければよいでは済みません。飼い主さんに動物を返すことを前提に、保護した際の情報を付随させて、管理する必要はありましたし、どこでどのように飼育管理を行うかは大切な事でした。
犬や猫が移動すればするほど、世話をする人間も替わり、大切な情報もバラバラになっていきます。自分達で管理できる動物の数と情報の整理は最初から認識されているべきでした。
また、渡辺眞子さんが言わんとしている事柄(行政から拒否される理由)についてであれば、起こりえることでした。錦の御旗があれば、何をしても良いということではありません。錦旗を掲げるのであれば、それを汚さないことが求められます。一部の者達がそれを汚してしまうのであれば、価値は下がっていくしかありません。
どうも時計の針が押し戻されてしまったような気がしています。


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