獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200104-12

犬を食べること(2)
投稿日 2001年3月8日(木)22時44分 Suzuka

なお様がリンクされていたページでの糾弾の論旨は、『食文化と誇るなら、写真を撮られるのを嫌がったり、大統領が公式には犬を食べることはないと言っているのはおかしい。だから韓国で犬を食べていることは食文化とはいえないから糾弾に値する。』ということだったと思います。
ここに問題があると思うのです。
最終的に目的とすること、それに対してどのようにアプローチするかによって、目的が真に達せられるかどうかが分かれると思います。
犬を食べることをやめさせたいというのであれば、あのように直情的に他国民の嫌悪感をいたずらに煽るような画像ばかりを選び、大声で糾弾することは果たして得策でしょうか?
かえって、現状(写真を撮らせず、裏通りの店で常連にしか料理を出さない)のように、事実を地下に潜伏させるだけで、『犬が食用にされるのをやめてもらいたい』という目的は果たされることはないのではないでしょうか?
自分の価値観だけを他人に全面的に押しつけても良い結果は得られないと思います。
まずは、殺し方だけでも、とか、特定犬種だけでも、とか少しづつ相互の理解をきちんと得ながら、最終的にお互いが納得できるところで折り合う・・・それが話し合いというものではないでしょうか?

身近な例をとっても、飼い主や犬好きの人にとっては『可愛い○○ちゃん』でも、犬嫌いのお隣さんの目には汚らしいただの生き物でしかないこともあるのです。
私達にとってかけがえのないパートナー・家族でも、韓国人の方から見たら食物にしか見えてないかもしれないのです。
その溝を埋めようとせずに、真っ向から突然野蛮人と罵り倒して要求をつきつけても、それは受け入れられないでしょう。

というようなことを常々考えていたので、なお様のお書き込みに対して先のような投稿をいたしました。
何もしないで見過ごすことを奨励するわけではないです。
なんとかしたい、と思うこと、それで行動をおこすことは非常に大切なことだと思っております。
ただ、その方法を見誤ると、自らの目的が達せられないだけでなく、同様の志をもって行動している人の妨げにもなりかねないということ、時には事態をかえって悪化させてしまうこともあるということをお考えいただきたかったのです。
日本の食文化・日本人である御自身の立場を見つめ直し、さらに同じ死でも食用と殺処分と視点を変えて、いまいちど冷静に考えてみてはいかが、というような意図での投稿でした。


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