獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200201-60

Re:何かの病気のサインでしょうか?!
投稿日 2002年1月26日(土)07時09分 パールちゃん

犬飼いのパールです。

かずらさんへ。
遊んで走り回っているときなどに、
突然苦しそうな、何か詰まっているかのような呼吸になってしまうんですね?
その様子からは過換気症候群が考えられます。

何かをきっかけにして呼吸のペースが速まると、
呼気として二酸化炭素を吐き出し過ぎてしまいます。
そうなると血液中の二酸化炭素の濃度が急激に下がって、
息苦しさを感じたり、手足の軽い麻痺や軽い痙攣を誘発したりします。
命にかかわる心配はないのですが、呼吸が苦しいということで心理的にパニックを起こし、
ますます呼吸が乱れ、息を自然に吸う吐くのリズムをますます見失ってしまいます。
そうなるとどんどん呼吸が速くなり、さらに血中二酸化炭素濃度の低下を増長する、、、
それが過換気症候群です。

うちの「はかりちゃん(メス・9歳)」もそのケがあります。
神経質で臆病で興奮しやすい性格の子です。
過換気症候群は急な激しい運動などの身体的ストレスや、
不安や緊張などの心理的ストレスが発作の引き金になるといわれています。
うちの「はかりちゃん」の場合は大嫌いな花火や雷の音に反応してぜーゼー・ヒクヒクになります。
そんなときは、まず落ち着かせることが大切なので、
声をかけながらやさしく抱いて、トントントンとゆっくり一定のリズムで背中をさすってあげます。
同時に、鼻と口を片手で包み込むようにして、
犬自身が吐いた息を再び吸えるような手助けをしてあげます。
吐いた息に含まれている二酸化炭素を吸わせることによって、
血中の二酸化炭素濃度を回復させるわけです。
人間の過換気発作の場合は紙袋を口に当てて吸うとよいと言われますが、
犬の場合はパニック時に目の前に袋をもってこられるのはよけいに不安をあおるような気がしますので、
飼い主が手のひらで紙袋の代用をするほうがいいと思います。

犬が落ち着いて正常な呼吸に戻るまでは、
むせて気管に入るのを防ぐため水などは飲ませないでください。
完全に落ち着いたら口とノドの乾きをいやすため少量の水を与えるとともに、
恐怖感や不安感を忘れさせるためにほんの少しおやつをあげるといいと思います。
「はかりちゃん」はこれでケロリとして、さっきまでは死にそうだったのに、
すぐに元気犬に復活します。

まだ若いワンちゃんの場合は心身ともにタフな犬に育てることで、
発作の引き金を減らすことができると思います。
体力をつけるとともに、ちょっとのことではビクビクしないワンちゃんにしてあげてくださいね。
「はかりちゃん」は雨の音にもビクビクするような子に育ってしまいましたので、
その反省をこめてのアドバイスです。


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