気力、体力、根性ｏｒ覚悟、また相手によりけりではありますが、可能ならば抱えあげてしまうのが一番かと思います。
　抱えられないほど自分のイヌが大きい・多い場合、今回のようにマテなど下命する（素晴らしい機転ですね）、自分のイヌと協力して「群」として相手を威嚇する、それでも突っ込んできてしまったら（５頭いると大変ですが）自分のイヌのリードを引いて後ろに下げつつ、相手のイヌの鼻面を蹴飛ばす（自分が噛まれる可能性は覚悟の上で）、といったことになろうかと思います。
　気づかれてから逃げるのはどう考えても得策ではありません。

　先客があると判った段階でノーリードかもしれないと予測し、場所を変える、あるいは少なくともーリード犬が表れるかもしれないと心の準備をしておく、などもいいかもしれません。
　
　中年女性が連れていたマルチーズにノーリードエアデール３頭が襲い掛かるのに居合わせたことがあります。イヌを抱きかかえるよう声を掛けたのですが、そのオバサマ、パニックになってマルのリードを離してしまいました。エアデールはマルを咥え、イヌ同士のケンカのようではなく、ウサギなどを捕食する時のように振り回しました。私がエアデールを蹴り上げた（というより、前脚の後ろの胸の下を足で引っ掛けて持ち上げた）ところエアデールはマルを離してくれました。固まったままのオバサマにマルのリードを渡し、エアデールは取り囲んでしつこく狙っていたので、こちらから大声で喚きながら突進して脅かし、飼い主のクルマまで追い散らしました。最初にオバサマがマルを抱き上げて、低い声でエアデールを脅せばなんということはなかったはずなんですけどね。

　私は特に運動が得意なわけでもありませんし、体力があるわけでもありません。慌てないこと、「かわいいワンちゃん」ではなく「捕食獣としての」イヌを知っていれば、通常の体格・体力のある成人でしたら、特別でない大型犬ならば脅かすことはさほど困難ではないはずです。
　いつだったか、叱る時の態度としてパールちゃんが書いていたように、山口もえモードではなく、極妻モード（女子シンクロとかソフトボールの監督さんたちのような、でも）の声が出せれば、女性でも威圧的な雰囲気を醸し出せるでしょう。
　そういった意味でも、普段から、敵対的なイヌと会うたびに、「飼い主さんがリードを離しちゃったらどうしよう、困るな・・・」ではなく、「飼い主がリードを離してこっちへ来たら、まずはこれこれこう、それでもダメならああいうふうにしよう」とイメージしておくのが有用だろうと思います。
　もちろん、どうにもならないほど強かったり興奮していたりするイヌと出会ってしまった場合には何も出来ないこともあり得るわけですが・・・