獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200505-121

プータロさんへ
投稿日 2005年5月30日(月)09時30分 投稿者 海が好き

我が家の愛犬も、先日、心臓病が見つかり、どのように生活するか試行錯誤の毎日です。何せ、走るために生まれてきた犬(シェルティ)なので、絵に描いたような運動制限は難しいです。

ということで、アドバイスというほどのものではないのですが...

1)遊びについて
 その子の性格や飼い主がいかに上手に乗せてあげるかにもよるのですが、「嗅ぎ当てる」「ほじくり出す」といった遊びは、体に負荷もかからず、どの犬も好きだと思います。我が家では、コングに入れたり、古タオルなどに包んだおやつを家の中に隠して探させる遊びをしています。初めは飼い主が誘導しないといけないですが、だんだんに自分で探し出すようになります。見つけたら、「スゴイぞ!エライぞ!」と大袈裟に褒めてあげること。見つけた後も「ほじくり出す」のが楽しいようです。
(ただ、これだけでは発散しきれていませんが...)

2)散歩について
 散歩で興奮するとのことですが、これに対しては「興奮している限り進まない」というルールを徹底することだと思います。「興奮していたら、飼い主は黙って立ち止まり、絶対に動かない。声もかけない。興奮がおさまったら再び歩き始める」というのを徹底します。たぶん、やり始めて初めの数日は、一時的に興奮や要求ぼえがひどくなると思いますが、そこであきらめないことです。それと、一旦始めたら、絶対に「今回だけは」という例外を作らないこと(命の危険があるようなときは別ですが)。「興奮することで要求が通ることもある」と学習させると、後が大変です。
 我が家もカンペキとは言えませんが、かなり落ち着いて散歩できるようになりました。要は、「どうすれば自分のしたいことができるのか?」を学習させることだと思います。かこさんも書かれていますが、散歩させないでいると、ストレスがたまって、余計に興奮しやすくなるのではないでしょうか?

3)メンタルについて
 これこそ私も試行錯誤の毎日です。今日もセカンドオピニオンということで紹介していただいた循環器系の獣医さんのところに行ってきますが、獣医さんのアドバイスを受けつつ、最終的には飼い主の割り切りが必要だと思います。
 うちの子の場合、まだ症状は軽いですが、常に「味気ない長寿と、密度の濃い短命とどちらを選ぶか?」という選択を迫られている気がしています。私は、犬自身の幸せのためには後者に近い道をと思っています。ただ、現実には「これでいいのかな?」と迷うこともたくさんあります。散歩は落ち着いたといっても、外に出ればやはりハイになりますし、部屋の中で遊んでいてもはしゃぎすぎて興奮させてしまうこともあります。その度に「マズイ!」と思いはしますが、しかし、「たとえ1年寿命が縮まったとしても、今、ここで楽しく過ごすことがこの子にとっては幸せなんじゃないか?」と思い直したりもします。

 慢性疾患(プータロさんの愛犬に当てはまるかは分かりませんが)の子にどんな生活をさせるのがよいのかは、根本的には「正解」のない問題なのだと思います。獣医さんによっても、考え方は色々だと思います。今、お世話になっているかかりつけの獣医さんは、私と同じように「何もかも禁止するのではなく、少しでも密度の濃い一生を送らせてあげて」という考えの方です。でも、獣医さんによっては、「厳格な運動制限」を求める方もいらっしゃるようです。どちらの考え方を選ぶかは、飼い主次第ではないでしょうか。その前提として、複数の獣医さんに診ていただくのも一つの手だと思いますよ。我が家の場合と違って、もしかしたら外科手術という選択肢もあるのかもしれませんし。

 プータロさんの愛犬の場合、言い方は悪いですが、最悪でも関節が外れるだけで、すぐに命に関わるような状態ではないですよね?「外れちゃったらすぐに獣医さんに」と割り切るのも一つかもしれません(獣医さんのやり方を見て加減をつかむこともできるでしょう)。そう考えて、一度開き直ってみてはどうでしょうか?

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