獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200605-82

Re 避妊手術について
投稿日 2006年5月24日(水)10時38分 投稿者 プロキオン

私は、けりーずはうす先生の意見の方に賛成します。

卵巣と子宮の両方の摘出による「尿失禁」というのは、子宮を摘出することとは関連性
はないでしょう。
ちょうど、「意見交換」の方で、働きありさんが、避妊手術後の尿失禁は卵巣からのホ
ルモンが失われたことによるものという趣旨の投稿をされていたばかりのはずです。
働きありさんは、このことを獣医師も案外知っていないことであるが、というような表
現をされていましたが、実は、私の研修先のテキストには、このことが記載されており
、さらにこの失禁に対して用いられるホルモン剤についても、その副作用の中にいささ
か問題のあるものがあって、その薬自体が今日的なものではない、今ではほとんど使用
されることはないと当時のアメリカの実態として、紹介されていました。
ですから、逆に 今の若い先生方であれば、このこと自体をあまり承知していないとい
うことは考えられるかもしれません。

ま、ということであれば(避妊手術後の尿失禁を心配されるのであれば、)卵巣の摘出
をしないということになると考えられます。
そのような避妊手術であれば、普通の感覚の獣医師であれば、まずお勧めしないことで
しょう。
また、卵巣のみの摘出というのも、けりーずはうす先生がおっしゃられているように事
後に問題の種を残さないようにということから、多くの獣医師がそのような処置は推奨
していないはずです。
犬自身の負担といっても、両方摘出した犬であっても、その晩のうちに散歩しています
よ。痛くて歩けないというような犬は、まずおりません。
確かに、子宮や子宮間膜の処置が、必要になりますから、卵巣だけフックでひっかけて
切除するという処置よりは、手間暇はかかりますが、一旦、お腹を開くからには、事後
のトラブルが起きないように処置することの方が私としては望ましい処置だと考えてお
ります。
( 何回も、開腹されることの方が、よっぽど気の毒だと思いますので )

手術直後に失禁があるのであれば、これは手術の痛みとか炎症が考えられますが、こちら
であれば、時間の経過でおさまることでしょう。ある程度の時間というか年を経てからの
失禁であれば、これはホルモン失調の1つと考えるべきでしょう。

ミルベマイシンは、よく流通している薬剤です。

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