獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200612-64

Re,ワンコの痴呆・・。
投稿日 2006年12月10日(日)22時44分 投稿者 けりーずはうす

こういった症状の相談は、年に何件か受けます。犬が大事にされるほど長生きをしますので「認知症」の相談は多くなっていくのかもしれませんね。

さて、認知症で犬が鳴くようになる場合問題となるのは、深夜から早朝にかけての時間帯となります。
ある研究で、認知症の犬は、睡眠サイクルが短くなる為に、こういった問題が起きるのであろうと報告されていました。
若い頃の様に、深く長く眠ることができなくなっているのです。
また逆に長く起きてもいられなくなっています。

老犬が認知症になると、独特の鳴き方をしますね。これは無意味に脳が勝手に鳴きなさいと命令を出しているケースと
何かを伝えようとして鳴いているケースとがあるようです。
例えば、脳が勝手に命令を出しているならば、人が近寄ったり、触ったりしても鳴き止みはしないのですが
意識下(上手く伝えられなくなっているだけなのです)で鳴いているのであれば、人が来ることで、伝わったと受け取り鳴き止むはずです。
それが排泄であったならば、目的が達せられれば、しばらく眠ってしまいます。
飼い主さんの中には、犬を観察することでなぜ鳴いているのか分かってくるようになるようですよ。

夜鳴き対策ですが、もしも現在散歩などをなさっていないようでしたら、ぜひ再開してください。
途中、犬さんが疲れたら、乗せて上げられるように乳母車のようなものを用意なさってもいいかもしれません。
最近は、通販雑誌に老犬専用のこういったカーとが販売されています。
できれば30−60分は歩いたり、乗せたりすることで刺激をし、疲れさせます。
そして、皆さんが休まれる前にも、排泄のために外に出してみてもいいかもしれません。
食事の時間も夕方早めに与えるのではなく、夜遅くに与えるようにしてみてもいいでしょう。

また、旋回運動が見られる場合(その場をグルグルずっと回っていること)は、バスマットを結束バンドで
2−3枚つなぎ円を作り、犬さんをその中に入れます。すると、怪我をすることなくずっと回っていられます。
疲れて眠るまでその中に入れておくのです。
もちろん、バスマットが犬さんがぶつかって倒れないように固定はしなければいけません。

この時期に気をつけなければならないのは、体温低下です。たぶん室内飼育ではあろうと思いますが
昨年以上に工夫をする必要があるでしょう。
できれば、直腸で体温を測れば分かりやすいのですが(直腸内で平均38℃代ですが、38.5度前後あるのが望ましいです)
そうでないなら、眠っている時の足の裏、耳が人の体温より温かいかをチェックしてください。

こういった工夫をしてもどうにもならないならば、薬の力を借りることがあってもいいかもしれません。
犬の介護をして、人が倒れては、介護をする方がいなくなってしまいますからね。
ずっと薬を使用するのではなく、時々はゆっくり眠ってくれる日を設けてみてもいいではないですか?

最期まで面倒をみてやりたいと願うkanaさんのお気持ち、とっても心が温まります。
微力ながら、参考になればと願います。
これからますます寒くなり、深夜の排泄などは大変な時もあるでしょう。
とっても幸せな犬さんですね。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。