この病気に関しては、１人で思い悩まない方が良いでしょう。下記のＵＲＬに「勇君の部屋」というサイトがあります。
そのサイトの設立は、私がこの「獣医師広報板」の常連となって間もない頃の相談がきっかけでした。柴犬の勇君の様子がおかしいということで、飼い主の愛ちゃんママさんは、ずいぶんと心配されて動物病院にも相談されていましたが、はかばかしい返事が得られず、ネットに相談してきたのでした。
そのあたりのいきさつは、サイトの方に記載されていますが、この病気のことをもっと飼い主さん達に知ってもらおうというのがサイト開設の目的です。
同じ悩みをもった飼い主さん同士で相談しましょう、助け合いましょう。たまには、犬にもおしゃれをさせておでかけしましょう、オフ会しましょう、というものです。

この病気の多くの犬の症例では、余命はあまり長くありません。残された余命をできるかぎり楽しい思い出でいっぱいにしてあげたいという気持があります。

このサイト自体が、犬の痴呆症（現在では認知症）の研究をされているＵ先生とともにＮＨＫにも紹介されたことがあり、めぐりめぐって第二弾の取材が私の方まできたこともありました。
獣医師広報板が、悩みをかかえた飼い主さんの力になることができた。そして、当時のハンドルネームsanamiさんへのレスを書いていたのが私です。コンピューターの前に座っているだけでも、世の中の役に立つことができるのだなと実感できた話でした。

勇君が亡くなってから、すでに久しい時間が経過していますが、大勢の飼い主さんが１人きりで悩む必要はないのだと勇気をもらっています。