獣医師広報板ニュース

ネコ掲示板過去発言No.1200-201102-27

Re3:猫が噛んで困っています 捕捉
投稿日 2011年1月27日(木)11時19分 投稿者 プロキオン

前回の投稿の際にも感じたのですが、話がまったくかみ合っていないようです。

>すべてのケースにおいて飼い主が悪い、動物は決して悪くないというのでは、子供は天使動物は天使のたぐいの感情論であり間違っている気がします

仰られていうことは、そのとおりです、それで結構です。ただ、すべてのケースについての話などしておりません。Akiさんの相談に対してのレスです。
私は、猫を擬人化したり、天使などと考えたりはしていません。猫は猫、犬は犬として接するであって、コミックも飼い主の思い込みによって猫が本来の姿から外れて、凶暴化した例としてあげております。
この中で、猫が子供を噛んでしまって、ドリトル先生のもとへ駆け込んで来た場面で、ドリトル先生の「そういうケダモノは、さっさと駆除すべきだな。」という台詞があります。これに対して飼い主は「なんてこと言いやがる、獣医のくせに! 動物の見方じゃないのかよ!!」とくってかかります。それに対して「勝手なのは、お優しい利己主義の飼い主さ。」と返しています。
子供は天使、動物は天使などと間違ってもドリトル先生はいわないでしょうし、私もそれを勧めたからには、天使などと考えているわけがありません。完全に思い込みをされています。

Aki さんは最初の投稿で、当該猫をリードをつけて1時間散歩させている書いておりますよね。そして、そのときに他の猫に対して攻撃的になると。
私は、この事に対して注意をしておりますが、それを止める気はないとの返答でした。

動物の躾けに関しては、今現在では、「陽性強化法」が推奨されているはずです。それは洋の東西を問わずです。
まず、猫にしても、犬にしても、その対象となる動物を知って、その上で個々の相違を把握して対応していくというのが、躾けの専門家を称する人達の共通の手法といえます。このような専門家であれば、猫を1時間リードをつけて散歩させるということは決して勧めないはずですし、各県にある愛護指導センターでも、今では猫は家の中で飼育して外へはださないでと言っているはずですよ。

>その漫画における治し方とはどんなものだったのか、うちの猫のケースではいかに振舞えばいいのか、それを教えていただければ幸いです

ここが、それ自体が悪いわけではないのですが、即物的な考えなのです。本来であれば、読んでみれば良いだけの事なのですが、それよりも先に解答を求めてしまっています。
そこが、そのとおりにやってみても、うまくいかないのではないかと危惧される所以です。
ギャランティーが発生する躾けの専門家であれば、まず、やって見せて、理由を説明して納得させて、それから依頼者が同じ事ができるように依頼者を訓練します。依頼者が動物に対してやることは、最後の方ですよ。
この際に、依頼者がこちらの注意や指示を無視する理解しようとされない方であれば、そこから先には進みません。また、最初の方の説明に戻ることになります。教える手法が無駄にされるというか、手法の一つを依頼である飼い主に駄目にされてしまう可能性が高く、やりにくくなるだけですから。
Akiさんは、ご自身が最初のステップにいるのに、最終的な結論だけを要求されているように思えます。そこが話が咬みあわない原因でしょう。

専門家は凄いですよ。犬が相手ですと、人間に向かって飛びつく犬なんて、私達が見ている前で、その場で直してくれました。飼い主に対しても噛み付く柴犬というのも、東京から通って対応してくれもしました。
犬は、社会性があって、飼い主の喜びを自分の喜びとすることができる動物ですので、訓練や躾けをすることができます。これに反して、猫はそのようなことにあまり関心がありません。ですから、猫の躾けというのは、犬と同じと考えるわけにもいきませんし、「陽性強化法」が摘要しにくいのです、躾けの専門家であっても猫は対象外としている事が多く、まして叩いて訓練というのが論外とされているわけです。
では、噛まれたときに、どのように振舞うのかということになると、動物に関わっておられる方達が執筆された本には、共通した内容として記載されております。

>文章を読んだ限りの印象では、飼い主に原因があり、飼い主が変わることが必要と
ありますが、正解は「飼い主の側に問題があることもあり、猫そのものに問題があることもある(育った環境、その猫の生まれながらの気質等)」でしょう。

正解とか誤答とかいうのではなく、飼い主に認識違いや思い込み・誤解があれば、そこを正していかないと、その先にある猫の問題にまで進みようがないということです。すなわち手順の問題です。
実際には、専門家のご高説によりますと、動物には問題がないことが多く、飼い主さん教育に8割くらいの時間を割くことになるとのことです。
それだけ多くの飼い主さんが、勘違いなさっているということになりますし、そこを正さないと先へ進めないといことになりそうですが。


>動物に優しい解釈であり、うちも甘やかしてしまうのでお気持ちはすごくわかるのですが
人間を甘やかすだけで育てると良くないのと同じで、ときには厳しさも必要です
たとえばその子は、おやつをよく欲しがり、それで腹いっぱいにしたいようですが、可愛い猫の懇願を振り切り、栄養上一番いいカリカリ餌を食べてもらう、そういう厳しさも愛情の一種だし必要なものだと思います


ね、動物を擬人化されているのは、私ではないですよね。犬や猫などの動物には、人間の言葉は通じません。が、その時の感情は伝わるのです。ですから、鞭1本でライオンや虎のサーカス芸が成立しますし、1つのゴールトンホイッスルで犬はさまざまな使役をこなします。
麻薬探知犬にしても 人間に遊んで欲しいからこそ、仕事をします。躾けにしても訓練にしても動物が嫌がることを強制的にさせるのは、難しいものです。だから、それぞての動物の特性を知ったうえで、その性質を上手にもちいて躾けようというのが、昨今の考え方なのです。そのためには、犬は犬として、猫は猫としての接し方がまずもって必要なのです。

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