獣医師広報板ニュース

ウサギ掲示板過去発言No.1500-202101-132

Re:目の病気でしょうか?
投稿日 2014年2月21日(金)11時48分 投稿者 レオン

獣医師です。初投稿になります。たまたま見かけたので書き込みます。


お話の内容からすると胸腔内のリンパ腫または胸腺腫の可能性が高そうです。

もちろん、正常でも興奮すると目の裏の静脈に血液をためて目が出てきますので、見てみないと正確にはお答えできないのですが。


どちらも片目ではなく両目が出てくる症状が特徴的で、一年に数件、ウサギの症例でみかけます。

胸の中に腫瘍ができるため、レントゲンである程度分かります。超音波検査でさらに詳しくみることができます。

腫瘍により、頭の方から心臓に戻る静脈系の血管が圧迫されて血液の交通渋滞が起きるため、目の裏の静脈が膨らむことで目が飛出しがちになります。

「白いもの」は瞬膜または第三眼瞼と呼ばれるもののことでしょう。目が出ることで同時に出てきてしまいます。


申し上げることがはばかられるのですが、どちらも治療の難しい病気で、予後は長くないことが多いです。


「リンパ腫」か、「胸腺種」かでも治療方針が大きく異なります。

確認のためには超音波検査で腫瘍を確認しながら針を腫瘍に刺し、とれた細胞を病理検査に出します。
ただし、この検査自体、ウサギの扱いと超音波検査に慣れた獣医師でなければ難しいかもしれません。慣れていればそんなに大変な検査ではありません。

結果が「リンパ種」であれば、ロムスチンという抗がん剤によって治療がある程度うまくいった例が報告されています。
もちろんうまくいかないこともありますし、うまくいったとしても再発に注意が必要です。
抗がん剤を使用しない場合はステロイドを使用しますが、あまり大きな効果は期待できません。


結果が「胸腺種」であれば、残念ながら現在のところ効果のある抗がん剤の報告はありません。

その場合はステロイドを使い、ある程度の効果を期待する治療になります。

あとは超音波検査にて胸腺腫の中に液体がたまっている部位が見つかったら、そこに針を刺して液体を抜くことで腫瘍が少し小さくなるため、ある程度症状を軽減することができます。


「目の飛出し」に関しては、エナカルドのような血管拡張薬を使うことである程度症状が軽減することが多いので、併用します。


ながながと書きましたが、もちろん全く別の病気の可能性もあるので、主治医の先生とよく話し合いながら治療を進めてください。

治療がうまくいくよう心から願っております。





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