獣医師広報板ニュース

爬虫類・両棲類・カメ掲示板過去発言No.2000-200505-85

誇張されすぎ?
投稿日 2005年5月31日(火)23時48分 投稿者 とこまだしよ

サルモネラ菌は2種・6亜種に分けられ抗原性の違いによって2500種以上の
血清型に分けられています。
人間に病原性を示すのはその中でも僅かなもので、尚且つ爬虫類が多く保有している
S.enterica subsp.arizonaeやS.enterica 
subsp. diarizonaeは人には原則的には病原性を持たないものだそうです。
爬虫類に関するサルモネラ菌の保有率は数%〜80%以上と非常にばらつきが見られます。
この違いは爬虫類の飼育環境や分離方法の違いがあると思いますが、一番の原因は
サルモネラ菌の糞便中への排出が断続的でその状態により同じ個体からでも菌が検出
されたりされなかったりことが大きな要因ではないかと思います。
最近の日本において爬虫類からが原因のサルモネラ症が証明された事象に関して
私は情報を持ち合わせていません。
このように爬虫類からのサルモネラ症が騒がれたのは1960年代にアメリカにおいて
カメが感染源と考えられる人のサルモネラ症が報告され、1970年から71年の間に
発生したサルモネラ症の約14%がペット用のカメ、その多くはアカミミガメ(ミドリガメ)
からのものだったそうです。
日本でも1970年代にペットのミドリガメが小児サルモネラ症の感染源として問題に
なったと聞いています。
ただ爬虫類でも人間に病原性を示すサルモネラを保有している場合があり、全く症状を
示さずに糞便とともにそれを排出していることが問題となります。
それにより爬虫類や飼育水、飼育土壌などから経口感染します。
どのくらいの量で人が発症するかは私は知りませんが、乳幼児や妊婦、高齢者や免疫不全
状態にある人は遥かに少ない菌数でも感染にし、また重症になりやすい事は間違いありません。
飼育環境に触れた場合は必ず石鹸で手を洗う。
爬虫類のと接している時は、飲み食いしたりタバコを吸ったりしない。
人の食事を作る台所では爬虫類に関するものは洗わない、流さない。
爬虫類とは適当な距離を置いて接し、爬虫類が自由に動き回れる区域を制限する。
などの対処が必要かと思われます。
個人的に少数の爬虫類を飼育し、爬虫類の環境を清潔に保っていて、常識的な程度の
接触をしていれば、健康な人間であれば大きな問題にはならないとは個人的には思います。
あまりオーバーに考たり、誇張して話す事ではないとも思います。
カメのウンチを顕微鏡で観察すると細菌以外にも色々な生き物があったり、元気に動いていたり
するので、それを見ていると爬虫類の世話をしている時、飼育水が顔に飛んだり目に入ったり
すると一瞬動きが止まり、やはり直ぐに流水でそれを洗い流しに行きます。
ン?・・・当たり前?

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