獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-199910-38

羽鳥さんのこと
投稿日 1999年10月2日(土)22時11分 mon

こんにちわ。私は広報板のリンク管理のmonと言います。
私が住み込んでいた警察犬の訓練所は、犬舎は藪蚊の飛び交う
林に物置みたいな小屋で、お金と交換に「飼えなくなった犬」
を引き取っていました。その犬たちは躾で預かった犬や訓練競技
に出す犬たちとはちがって、ほとんど檻に入れっぱなし。かまっ
てあげたくても、掃除や預かり犬の訓練がびっしりで、数人しか
いない訓練士では一匹10分程度散歩させてあげるのが限界でした。
私たちの睡眠時間は3時間ほどしかありませんでした。
一匹が下痢をすると次々下痢の犬が発生し、毛シラミに蚤、皮膚病。
犬を引き取ってやめた人も何人もいました。
そして信じられないでしょうが、ある犬は朝になったらいないので
所長に聞いたところ、煮て食べたというのです。(その地方には犬食い
の風習があるとは聞いてましたが...)
そこは結構競技で優秀な犬を出したところなのですが....
私は辞職しました。
現場にいるとどうしようもないこともあります。
保健所の犬収容所の勤務になり自宅に犬をたくさん引き取り、でも
助けられないほとんどの犬たちを毎日処分しなくてはいけない友人が、
ガス室に入れる時犬たちが涙を流すんだ、と泣いていました。

けれど、羽鳥さんにはまだ動物たちを助けることができるのではない
でしょうか。一人では無理でも、法律や組織の力を借りれば。プレー
リーや犬なら私が飛んでいって引き取ってもいいくらいです。
働く人たちにとっても苦痛ならば尚更そのような管理運営を野放しに
するのはよくありません。動物愛護は自分ができることをするのが
始まりで全てだと思います。必要以上に自分のできないことを責めたり、
嘆いたりしても、私もみんなも羽鳥さんもこの世のすべての動物を救
うことは無理です。けれど「今できること」の前で勇気を持つことが
大切ではないでしょうか。長くてごめんなさい。




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