獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200108-10

私見、避妊去勢手術と純血種
投稿日 2001年8月3日(金)10時59分 岩谷

(1)避妊去勢手術の必要性について

年間公的機関で不要な物として処分される犬猫は約70万頭と言われます。
多くの愛護活動家はこの事実を一番重要なものと考えています。
例えば責任ある飼い主が飼い犬に子供を産ませ、捨てたりせずに、他者に譲渡したとしても、生まれた子犬は、間接的に処分される犬の居場所を奪うことになるのです。

具体的説明:

社会全体で飼養できる犬頭数が100頭としましょう。
飼い主、犬を飼える人、受け皿が100だということです。

社会には150頭の犬がいます。
50頭は不要な物として、処分されます。=殺されます。

ある飼い主が自宅の犬に一度出産を経験させたいと願います。生まれた子犬は5匹。
いま社会全体には、100+5=105頭の犬がいます。
その5匹には貰い手がつきました。
社会全体で飼養できる頭数は限りがありますので、100の内の5匹が処分になります。=殺されます。
ある飼い主が5匹の子犬を産ませることにより、どこかで抹殺される犬が5匹発生することになるのです。
なぜなら、社会全体で飼養できる犬頭数は決まっているからです!!

犬猫を飼うということは、一見まったく個人的な行為のように思われますが、社会全体と強くリンクし、他者と強く繋がる、社会的な行為なのです。

犬猫は社会全体が飼養している動物であり、犬猫をめぐる現状では、犬猫頭数が過剰なため、多くの犬猫が処分されているのですから、過剰な犬猫を出さないことが、社会全体として、急務なのです。過剰な犬猫頭数を出さないためには、「現状」では、「避妊去勢手術」の方法しかないということです。

犬猫を飼うということがあくまで個人レベルの行為であるという人には、この考えは理解できないでしょう。
そういう人は、人が生きている土壌が、「社会」「世界」であることも理解できないのではないでしょうか。

犬は確かに管理をきちっとすれば、シーズンがきたからといって、必ず受胎する動物ではありません。
ですから、「避妊去勢」が自然でないというお気持ちなら、「自宅の犬の管理をきちっとする」ことが、社会全体への貢献となります。ただし、自宅の犬には、「欲求不満」というストレスを与えることになると思いますが、、。
猫はシーズンが来ると必ず受胎します。「避妊去勢手術」はMUSTでしょう。


(2)ブリーダーについて一言。

ブリーダーが扱う犬猫は基本的には、市場へと供給する商品です。
商品である犬猫を、市場価値あるものとして市場に供給する人がブリーダーだと私は理解しております。
商品である以上、そこには「愛護動物(ペット)」「家族の一員」という、愛護精神よりも、より良い商品を作ろうという美意識が優先される世界だと思います。
同時に、より良い商品を作るためにはできの悪い商品は抹殺するであろう「非情な世界」でもあるわけです。
「非情な意識」とは=「愛護精神に真っ向から反する精神」です。
スタンダードとか美に価値を置く商品>命(命より商品価値が優先される世界)は、根源的に愛護精神に反するのです。

犬猫を飼っている人たちの内、ブリーダーさん、ブリーダーもどきさんは一部ですから、↓下記投稿の
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「断尾・耳の形成・狼爪切除」など、つまり純血種をスタンダードに仕上げる行為は、
純血種として生まれた犬へ幸せを与えるひとつの方法だと私は思っています。
そのことによって犬の価値は高まり、犬は大切にされるのです。
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は、本来なら、このように書かなければなりません。

「そのことによって、価値があると考える人たちにとって、犬の価値は高まり、価値があると考える人たちにより、そのような犬が大切にされるのです。」
多くの人たちの中には、純血種であることに価値を見出せない人たちもいるのですから。
私自身にも、猫種の○○が好きという美意識はあります。特に飼ってみたい犬種もいます。それでも、その自分の美意識よりも、どの命も大切という愛護の気持ちの方が強いため、決して、純血種を購入しません。商品価値より命を優先したいと思っていますし、どんな犬猫でも、大切な命です。
つまり、私は、純潔種に特別な意義は見つけられません。
むしろ、純血種は「一種の奇形児」「人口種」だとの認識が強いです。

ブリーダーさんにお聞きしたいのは、
年間70万の命が消えていく現状で、なぜ故過剰な犬猫を社会に供給するのかという理由です。ただ単に「この犬種が好きだからとか、純潔種は芸術作品だからとか」等のエックスキューズではない理由を是非お聞きしたいですね。

昨今の愛護精神の普及に伴い、ブリーダー規制を強めようと願っている人たちも多いと思います。今後は、必ず、愛護精神に基づき、ブリーダー、ペットショップ等への規制が強まるでしょう。
ブリーダー業界には、愛護精神に基づいた、「自助努力」が求められているのです。


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