獣医師広報板ニュース

動物の愛護掲示板過去発言No.6000-200803-48

Re:ちゅんちきさん
投稿日 2008年3月29日(土)22時09分 投稿者 ちゅんちき 

研究職での応募でないとパンフレットの入手は難しいかも知れませんが、まずは、パソコンで「安全性試験」をキーワードに検索してみてください。写真が出ているところは少ないですが、一般の方にも分かるように書かれているサイトもあります。採用については、どこもネット上では大卒以上しか募集がなさそうですが、動物の飼育や洗浄スタッフなどは地元採用があるはずです。検索に引っかからない会社もありますから、実際にハローワークに出向いてみるのもいいかもしれません。製薬メーカーなどにも動物を扱っているラボがあります。
私の職場では高卒の職員も大勢いて、大卒や獣医さんたちとも同じように働いています。
ただ、補助スタッフであっても、動物のいるエリアでの仕事となると、見たくないものを目にする場合もあるでしょうし、最悪、動物の安楽死をまかされる場合もあるかもしれません。「きつい、汚い、危険、給料が安い」の4K職場でもあります。動物好きであれば、なおのこと、相当な覚悟が要求されます。
安楽死には麻酔を使います。本当に安楽に死ねるかと問われれば、「?」なケースもありますが、命を奪う以上、やむを得ない部分もあります。
代替法については、化粧品では導入が進んでいるようですが、医薬品や農薬では動物試験が要求されています。どこまで動物試験が必要なのか再考の余地はあります。しかし、生き物の体は複雑なシステムです。目や皮膚、細胞などのパーツで確認するだけでは不十分で、全てを代替法でまかなうことはできません。

確かに、ボランティアで実験後の動物の里親探しをしてくださる団体があってもいいのかもしれません(この掲示板の過去ログを見ると、実際あるようです)。でも、所詮は実験動物なんですね。実験のためだけに生まれてきた動物です。食用の牛や豚と同じです。愛玩用には作られていませんから、可愛くない、問題行動を起こすなどの問題もあって、広く里親さんを募集しても、動物たちのその後の人生に幸せが保証されるわけではないのです。ラット・マウス・モルモット・ウサギくらいまでは気軽に飼うことはできますが、目が赤いので見た目の可愛さにとぼしいですし、ウサギなんかはかなり大きくなってしまいます。イヌは、里親を探すのは子犬に限られています。ラボで育ったイヌは社会性がゼロなので、一般家庭では扱いが難しい場合もあります。
むしろ、保険所に持ち込まれた動物を助ける活動の方が、理にかなっているという気がします。彼らこそ、本来、人間に愛されるために生まれてきた存在なのですから。
ペットも実験動物も、そして食肉用の動物も、命の重さは同じです。でも、それぞれに持って生まれた役割があります。不条理ではありますが、私たちにできるのは、やはり、「命への感謝」でしかないのではないでしょうか。
長くなって、すみませんでした。

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