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赤いアモーレ      


2004年 イタリア   

<監督>セルジオ・カステリット
<キャスト>ペネロペ・クルス , セルジオ・カステリット

<ストーリー>
外科医ティモーテオ(セルジオ・カステリット)は、交通事故で危篤状態の娘の前で茫然と立ちすくんでいた。娘が緊急手術を受けている間、彼は、かつて愛した女性、イタリア(ペネロペ・クルス)の幻影を見て、彼女と出会った15年前のことを思い出す。その頃、彼は、妻エルサ(クラウディア・ジェリーニ)と裕福な家庭を築いてはいたが、満たされない思いも感じていた。そんな時に出会ったのが、イタリアだった・・・。

<感想>
こんな題名なので、一昔前の映画かと思っていましたが、なんと、最近の映画なのでした。原作は、マルガレート・マッツァンティーニの「動かないで」。英題も「DON'T MOVE」なので、なんで、邦題がこうなったのかは、不明(^^;。

瀕死の娘を目にした時、彼の脳裏に浮かぶのは、15年前に出会った女性、イタリアだった・・・。それは、懺悔の意味を込めた思いだったのでしょうか、それとも、慈悲を請う思いだったのでしょうか。
彼にとって、彼女との関係は、愛と呼ぶにはあまりにも身勝手で、都合のいいものでした。満たされない心と体の欲求のはけ口としてとしか、彼女を見ていないような気がして、不快感すら感じました。
また、イタリアにしても、最初からただ受け入れるだけで、諦めきった態度は悲しすぎます。
彼女との最後の逢瀬も、男にとってのただの気まぐれのような気がして、かえって悲しかったです。
でも、そんな彼女だったからこそ、彼にとって、全てを受け入れ、許してくれる存在として、彼女が必要だったのかもしれませんねぇ。

主演は、ペネロペ・クルス。よく似た女優さんだなと思いながらずっと見ていましたが、やはり彼女でした。でも、いつも見ている彼女とは、全く違いました。顔は可愛いけれど、品がなくて、汚い印象すらしました。でも、悲しいぐらいに純粋に彼のことを思っている女性を好演していました。
外科医のティモーテオ役は、監督も兼ねているセルジオ・カステリット。原作者は、彼の妻だそうです。(2008,04,29)



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