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アヴリルの恋      


2006年 フランス (AVRIL)
ロマンス

<監督>ジェラール・ユスターシュ=マチュー
<キャスト> ソフィー・カントン, ミュウ=ミュウ

<ストーリー>
中央フランスの山間にあるトラピスチヌ修道院に暮らす21歳のアヴリル(ソフィー・カントン)は、赤ん坊の時に捨てられ、この修道院で育てられた。実は彼女には双子の兄がいて、彼の方は、孤児院に引き取られていた。彼女は、修道女になるための最後の儀式の前に、密かに修道院を抜け出して、生き別れの兄を捜す旅に出る・・・。

<感想>
赤ん坊の頃から、修道所暮らしのアヴリルは、それ以外の世界を知らず、ひたすら、神を慕い、神を敬い、神だけにつくす毎日。
そんな彼女が、外の世界に出ていった・・・。

禁欲的な修道所の生活が、灰色のイメージならば、アブリルの世界は、灰色から、森の緑に変わり、その後、空や海の青に変化していきました。
それに伴って、彼女の服装も、変わってゆき、
そして、表情も、変化します。

最初は、外の世界を何も知らない彼女のことが、心配でした。
通りがかりの知らない男のトラックに乗ってしまったり、男と服を取り替えたり(^^;。
普通だったら、ちょっと考えられない無防備さで、ちょっとハラハラ。

でも、それらや、それからのことは、今まで何も知らなかった彼女だからこそ、できたこと。
いわば、赤ん坊が、やっと一人歩きをしはじめたような、そんな感じだったのかもしれませんね〜。
全てが新鮮で、全てが楽しく、毎日が冒険のような感じ。
特に、夜明けの海に、全裸で入るところは、自然に抱かれた安心感と、開放感を表しているようでした。

彼らの生み出した芸術?!は、白の背景に赤と青。
これって、自由、平等、博愛のフランス国旗の色?!(^^)。
とても前衛的で、彼女の芸術の出発点なのか、束縛からの解放を意味するのか、エロチシズムの発芽を意味するのか、よく分かりませんが、彼女の揺るぎない決意を感じさせるインパクトがありました。(2011,11,06)



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