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イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密      


2014年 イギリス・アメリカ (THE IMITATION GAME)
伝記・スリラー   

<監督>モルテン・ティルドゥム
<キャスト>ベネディクト・カンバーバッチ , キーラ・ナイトレイ , チャールズ・ダンス , マーク・ストロング

<ストーリー>
1939年。ドイツに宣戦布告したイギリスは、ドイツの暗号機エニグマの解読に力を入れるために、各分野の精鋭を集めた。その中の一人が天才数学者のアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)だった。彼は、他のメンバーとの共同作業に加わろうとせず、孤独に仕事を続けてゆく・・・。

<感想>
戦争映画は苦手ですが、エニグマを扱った映画は今まで何作か見ています。
その経験から、この映画は、少々苦手かも・・・と思っていたのですが、
アカデミー賞に、8部門もノミネートされ(受賞は、脚色賞のみ)、しかも、主演が、ベネディクト・カンバーバッチ!ということで、絶対外せないと、見に行きました。

ベネディクトが演じるのは、アラン・チューリング。
チューリングのことは、全く知らなかったのですが、
アカデミー賞のレッドカーペットで、ベネディクトが、彼のことで、熱弁を振るっていたのがとても印象的でした。
その時は、映画を見る前だったので、チューリングが、どういう人だったのか知らず、イマイチピンとこなかったのですが、成る程、こういうことだったんですね。

チューリングは、他人との関わりが下手な天才数学者。
チームでのエニグマの解析研究なのに、まわりとの協調性は全くなく、まさしく変人(^_^;。
彼の様子を見ていると、おそらく、アスペルガー症候群だったんじゃないかと思われますねぇ。
こういう人と付き合って行くには、天才とは、やはり、他人とは、どこか違っているんだなぁと、思うしかないですね(^_^;。
映画の内容は、エニグマ解読という、映画的には、少々地味な内容ながら、チューリングの一風変わった魅力が大いに貢献して、しばしばクスッと笑えるような、思いがけず楽しい映画になっていました。
しかも、詳しい原理など、全く分からないながら、エニグマ解読の様子も、案外面白かったです。

映画の中で、一つ大きな衝撃だったことは、エニグマの解読が、戦争終結に、すぐには、直結しなかったということ。
これが、戦争というものなんだと、そう言われれば、理解できるのだけれど、目の前の多くの人が死んでゆくのを分かっていながら止められないとは、なんと悲しいことでしょう。

映画の最後に、チューリングについて、ちょっとだけ解説があり、それにも驚きました。
戦争が終結し、法が改正され、それで、この時期、この映画が作られたのかと、感慨深いものを感じます。(2015,03,20)



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