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イゴールの約束      


1996年 ベルギー・フランス・ルクセンブルグ

<監督>リュック=ピエール・ダルデンヌ , ジャン=ピエール・ダルデンヌ
<キャスト>ジェレミー・レニエ , オリヴィエ・グルメ

<ストーリー>
ベルギー。不法移民斡旋の仕事をしているロジェ(オリヴィエ・グルメ)の、15歳の息子のイゴール(ジェレミー・レニエ)は、自動車の修理工見習いをしているが、父親の仕事の手伝いもしていた。ある日、ロジェが世話をしていた労働者の一人、アミドゥ(ラスマネ・ウエドラオゴ)が足場から落ちてしまう。不法移民のため、病院にも連れて行かれず、アミドゥは、そばに付き添っていたイゴールに、妻と子供を頼むと言い残して死んでしまう・・・。

<感想>
主演のジェレミー・レニエが大人と子供の境目を好演しています。彼自身も、この当時、役柄と同じ15歳なのですが、15歳に見えないほど、やけに大人びたふてぶてしさをもった、少年なんですね〜。普通にしていたり、ゴーカートで遊んでいたりすると、幼くて、美しい少年なのに、父親の仕事を手伝っているときは、30歳ぐらいにも見える老獪な顔をします。その表情の変化が珍しくて、彼の顔から目が離せませんでした。普通笑顔って、可愛いものなのですが、彼の場合、なんだか、薄気味悪い・・・と言っては、失礼かしら・・・なのでした(^^;。

そんな彼が、少年の顔と、老獪な顔とを見せながら、人間としての良心に悩み、そして、若々しい決断をします。
それまでのイゴールは、家では、父親ベッタリの、親離れしてない少年でしたが、この事件をきっかけにして、父親離れをして、自分の考えを持つ青年へと変化します。

ダルデンヌ兄弟の監督作品は、「息子のまなざし」を見て衝撃を受けました。こちらは、まるでドキュメンタリー映画のように、淡々とした静かな作品だったのですが、今度のこの作品も、その色合いが強いです。ただ、「息子の〜」の6年前の作品なので、同じドキュメンタリータッチでも分かりやすかったです。(2007,01,05)



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