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オープニング・ナイト      


1978年 アメリカ

<監督>ジョン・カサヴェテス
<キャスト>ジーナ・ローランズ , ジョン・カサヴェテス , ピーター・フォーク 

<ストーリー>
舞台女優マートル(ジーナ・ローランズ)は、舞台終了後、いつものようにファンに囲まれる。その日は、大雨の中、熱烈なファンの女性がマートルの乗った車に近づいてきた。彼女は、マートルの乗った車が発進した直後、他の車に轢かれて死亡してしまう。その現場を目撃したマートルは、次第に精神状態が不安定になってゆく・・・。

<感想>
舞台俳優は芸術家。この映画を見ているとそんな言葉が頭に浮かびます。
俳優は、監督の言うままに、セリフをしゃべるだけでなく、自分自身で、その役の骨組みを作り、肉付けし、役そのものに入り込んで演じているんだなぁと改めて思います。
だから、自分で納得できないと、役を演じられずに、監督や、脚本家とぶつかってしまう・・・。

この映画の主人公、マートルは、名実ともに大女優。人気も、お金も、仕事も十分にある彼女。しかし、それ故に悩みも深く、酒量はすすみ、加齢による役柄の変化にも戸惑ってしまう。どうしても違和感が残る舞台の稽古で、心身共に彼女は疲労困憊していた。
そんな時に起こるファンの女の子の不慮の事故。これによって、彼女の精神は、大打撃をうけてしまうのでした。
主演女優である彼女がこんな状態なので、不安のまま、舞台は初日を迎えるのですが・・・。

この映画は、女優ジーナ・ローランズ、この人に尽きます。
いかにも大女優と思わせる、楽屋口からファンにもみくちゃにされる帰宅風景。出番前にアルコールをグイッとひっかける仕草。気に入らないシーンの稽古では、監督、脚本家、相手役に対しての我が儘放題。
そして、あわや舞台初日に穴が開くか?!という瀬戸際に・・・。

これぞ、女優って、感じでした。彼女の演技を、どうぞご堪能ください。(2006,05,07)



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