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酔画仙      


2002年 韓国 伝記   

<監督>イム・グォンテク
<キャスト>チェ・ミンシク , アン・ソンギ , ソン・イェジン , ユ・ホジョン, キム・ヨジン

<ストーリー>
19世紀、朝鮮時代末期。ある日、開明派の学者キム(アン・ソンギ)は、殴られている貧民の少年チャン・スンオプを助けた。数年後に再会した時、スンオプ(チェ・ミンシク)の絵の才能を知ったキムは、彼に、絵の勉強をさせることにする。そして、スンオプは画家として名を上げてゆくが・・・。

<感想>
”朝鮮時代三大画家”の一人と言われ、”酔画仙”と称された伝説の画家、チャン・スンオプ(張承業)の伝記です。
カンヌ映画祭では、監督賞も受賞しました。

画家の伝記なので、映画の中には、たくさんの絵画が出てきますが、それが、もう、すばらしいの一言でした。
水墨画が多かったですが、墨の濃淡や、筆遣いの勢いだけで、あらゆるものを表現し、また、その息づかいまで感じられるのは、本当に見事です。

映画の制作費は60億ウォン。60億ウォンというと、日本円で言うと、6億円ぐらいです。韓国映画としては、破格の制作費だそうです。19世紀の朝鮮時代の街並みを作り上げたり、映画の中で使われた美術品などにも、相当力を入れて作ったそうです。だから、この絵を見るだけでも、映画を見る価値があるというものですね〜。

残念なのは、映画としての面白味が、あまりなかったことです。主演のチェ・ミンシクは、いつものように、力演で、すばらしい役作りなのですが、モデルになっているスンオプが神懸かり的に天才であるので、凡人の私には、彼の心情や行動についてゆくことができず、全く感情移入が出来なかったのが、痛かったです。
その点、いつもながら渋くて、いい味わいのあるアン・ソンギが登場すると、なんだかホッとするような気がしました。
また、これが映画デビュー作になる「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジンも、刺身のツマ程度しか出ていないので、彼女目当てに見ると、ちょっとがっかりするかもですね。(2006,11,23)



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