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題名のない子守唄      


2006年 イタリア ミステリー・スリラー

<監督>ジュゼッペ・トルナトーレ
<キャスト>クセニア・ラパポルト , ミケーレ・プラチド

<ストーリー>
北イタリアのトリエステ。ウクライナ出身のイレーナ(クセニア・ラパポルト)は、ある目的を持ってこの街にやって来た。その目的とは、ある家族に近づくこと。近くにアパートを借り、仕事を見つけ、家政婦と親しくなる。彼女は、その目的を果たすために、自分の全てを掛けていた・・・。

<感想>
最初は、彼女がいったい何をしようとしているのか全く分かりません。
イタリアに出てきて、アパートを探す時も、安くていい物件より、高いのにボロいアパートを選んだり、仕事も、紹介者に法外な手数料を渡す約束をしたり・・・。
そして、時々、フラッシュバックのように、映し出される淫靡な世界。いったいこれと彼女との間に、どういうつながりがあるのか??
謎だらけのまま、着々と彼女の計画は、実行に移され、ついには、犯罪にまで手を染めてゆく・・・。

イレーナの必死さが緊張感となって伝わってくる映画でした。
彼女の目的が分からないので、彼女の行動や、フラッシュバックで映し出される世界に翻弄され、スリリングに映画に酔いしれました。

ただ、全てが分かった時、彼女の過去はあまりに悲惨で、救いがなく、重い気分にさせられます。
そうしなければ、生きて行かれなかった彼女の事情が、少しでも描かれていたら、もっとスッキリしたかもしれません。

主演のクセニア・ラパポルトがとってもよかったです。
過去と現在の彼女の変わりようも、すごかったし、彼女のひたむきな情念のようなものもたっぷりと感じられました。

監督は、名作「ニュー・シネマ・パラダイス」「マレーナ」のジュゼッペ・トルナトーレ。いつも印象深い映画を作り上げる監督ですね〜〜。

WOWOWで視聴したのですが、なんと、ラスト近くに8分間の中断!(TT)。再放映は11月になるそうなので、そのまま感想を書きましたが、面白い映画だっただけにこの中断は、痛かったです(TT)。(2008,09,15)



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