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タイヨウのうた      


2006年 日本 ロマンス   

<監督>小泉徳宏
<キャスト>YUI , 塚本高史

<ストーリー>
16歳の少女、雨音薫(YUI)は、学校に行かず、昼間は寝て、夜になると、ギターを持って公園で歌う毎日を送っていた。彼女は、太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気だったのだ。そんな彼女には、歌を歌う以外にも、楽しみがあった。それは、家の前のバスの停留所に来る、一人の男子高校生(塚本高史)を見ることだった。しかし、薫は、彼の名前も知らない・・・。

<感想>
不治の病の少女の恋物語というベタなストーリーですが、主人公を初々しいYUIが演じていることと、彼女の歌唱力のおかげで、さわやかで感動的な青春映画となっていました。

病気のことをよく理解し、自分に許される範囲で、自分の好きなことをして、生きている薫。自分の将来が、どうなるのかが、分かっている上で、前向きに生きていくのは、大変なことだろうと思います。でも、彼女は、あこがれの人に出会い、楽しい時間をともに過ごし、そして夢の一部も果たせたことで、短い間に多くの幸せを感じられたのではないかと思います。

そんな彼女を支え、励ましながらも、辛いのは、彼女の両親でしょうねぇ。自分の最愛の子供が、治療法のない病気だと知ったときの二人の悲しさは、どれほど深かったことでしょう。
ラストの方で、海辺で遊ぶ親子の姿を見ているシーンがありましたが、彼らには、あのような、親としての平凡な喜びさえも、手の届かないことだったのですから、切ないですよね。

主演にYUIを起用したのは、とてもよかったと思います。演技は、それほどうまくはないですが、素朴な感じと、何より、歌のうまさによって、この役が無理なくフィットしていました。
そして、彼女の演技を補佐しているのが、藤代孝治役の塚本高史。「木更津キャッツアイ」シリーズのおばかキャラが印象に残っている彼でしたが、この映画の彼も、とってもよかったです。サーフィンばかりやっている、あまりお利口に見えない彼なのですが、優しくて、一生懸命。そんな役柄がとても似合っていて、そして、素敵でした。(2007,12,30)



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