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パンドラの匣      


2009年 日本
青春・ロマンス・文芸

<監督>冨永昌敬
<キャスト>染谷将太 , 川上未映子 , 仲里依紗 , 窪塚洋介 , 洞口依子

<ストーリー>
敗戦後、肺を病む利助=ひばり(染谷将太)は、療養のために、”健康道場”に入所する。そこでは、風変わりな治療法が行われていて、ひばりも、せっせと、その治療法を実践する。そんなある日、道場に、新しい看護婦の竹さん(川上未映子)がやってきて、道場がにわかに活気づく・・・。

<感想>
2009年は、太宰治生誕100年ということで、太宰映画がたくさん作られました。(「人間失格」「斜陽」「ヴィヨンの妻」・・・あ〜、どれも見てないんだわーーー(^^;)
その中の1本です。
原作は未読なので、楽しみでありながら、読んでおけば良かったという後悔も感じたり、そして、ちょっぴりの不安の中で見始めました。

「やっとるか」
「やっとるよ」
「がんばれよ」
「よしきた」・・・

なんとも奇妙な挨拶と、運動。
それぞれにつけられた、簡単なあだ名があったりと、それは、ちょっと不思議な世界・・・(^^)。

また、そこは、切々とした生への渇望と、そして、そのすぐそばに、死の入り口が開いているところ。
でも、そこで、人は、語り、笑い、そして、恋をする。

冒頭にも書いたように、原作を読んでいないので、文芸作品として見たわけではありませんが、
予想以上に面白かったです。
実は、あまり期待してなかったんですよねーーー(^^)。

でも、時代を感じさせる肺結核療養所での生活の様子が、とても生き生きと描かれていました。
また、日本のこの時代の人たちのまじめさとか、その中にある、ユーモアとか、優しさとか、暖かさとかを感じることが出来ました。

キャストもとてもいいです。
主演の染谷将太が、なにしろとってもいい!!
余裕で、うまいです(^^)。
彼は、先日公開されていた「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」にも主演していて、
私は、惜しくも映画館には行かれなかったのですが、とても面白そうでした。
注目の男優さんですね〜(^^)

新しくやってきた看護師の竹さん役は、芥川賞作家の川上未映子。
多才な人だとは聞いていましたが、最初は、このキャスティングを「どうなの?」と、否定的に見始めたのです。
でも、案外そつなくこなしていて、彼女のキャラクターによく似合っていて、違和感ありませんでした。

そして、最近とても好感を持っている仲里依紗も、可愛くて、相変わらずいいです!(^^)。

全く期待していなかっただけに、感動的にとても面白かったのですが、一カ所だけ、布団部屋の、あの前衛的な?シーンが、演出過剰に思えて、好きになれなかったのが、残念でした。

監督は、「乱暴と待機」「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬監督。
ちょっとはまりそうです(^^)。 (2011,02,18)






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