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ランジェ公爵夫人      


2007年 フランス・イタリア 音楽・ロマンス   

<監督>ジャック・リヴェット
<キャスト>ジャンヌ・バリバール , ギョーム・ドパルデュー , ミシェル・ピッコリ

<ストーリー>
19世紀初頭のパリの社交界。そこで、男たちの注目を集めるのは、ランジェ公爵夫人(ジャンヌ・バリバール)だった。ある日、彼女は、は、舞踏会で、ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍(ギョーム・ドパルデュー)と出会う。周りにいる他の男たちと違って、野性味溢れる彼に興味を持った公爵夫人は、彼を自宅に招く。一方のモンリヴォー将軍も、魅力的な公爵夫人に心奪われるのだが・・・。

<感想>
以前、バルザックの原作を読んでから、この映画を観るのを楽しみにしていました。
難解で読みにくかったあの原作をどのように映画化したのか。また、若くして亡くなってしまったギョーム・ドパルデューが、どのようにモンリヴォー将軍を演じたのか、見るのが楽しみでした。

映画は、原作に忠実に進みます。
この忠実さは、自国の文豪に対する尊敬の現れによるものなのでしょうけれど、もうちょっと脚色を加えて、面白味のある映画にしてくれても良かったのではないかな〜。
今の時代、重々しいだけの映画はダメでしょう。
私は、原作を読んでいたので、原作よりは、余計なことがなくて、すっきりとしていて、分かりやすいかなとは思いましたが、それにしても、面白味が少なすぎます。せっかく映画にしたのだから、もっと華やかに、娯楽的な要素も入れて欲しかったですね〜。

それに、一番がっかりしたのは、当時の社交界で一番人気だったというランジェ公爵夫人の美貌と、人間的な魅力が、うかがわれなかったことです。
公爵夫人を演じたジャンヌ・バリバールが、想像していたほど美しくないんですよねーーー(^^;。まあ、時代や、国によって、美しさの基準は、流動的なものですが、これには、少々がっかりしてしまいました。

逆に良かった点は、やはり、ギョーム・ドパルデュー。まだまだこれからだった彼の人生は終わってしまったけれど、彼の演じたモンリヴォー将軍は、社交界や、女性に不慣れで、無骨だけれど、情熱的な男。そんな彼を見事に表現していたと思います。公爵夫人に翻弄されて、身も心もボロボロになって行く姿は、痛ましくて、お気の毒でした。

そして、公爵夫人のファッションもよかったです。この当時のドレスは、あまりゴチャゴチャと飾り立てないのが主流だったのでしょうか。スタイルは、シンプルだけれど、色やデザインは、素敵で、髪を飾るリボンもさりげないようですが、おしゃれでした。

それにしても、当時の恋愛には、遊びの要素もあるとはいえ、人の心をもてあそんではいけませんよね。
かわいさ余って憎さ百倍。手痛いしっぺ返しが来るものです。まあ、お互い様の話でしたが・・・。(2009,07,12)



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