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「ランジェ公爵夫人」
オノレ・ド・バルザック  



わたしは
抗しがたい力で愛されるか、
さもなくば、
冷酷に捨てられたい。
(表紙折り返しより)



なんと、バルザックを読んでしまいました!(^^)。
何でこれを読みたかったのか、自分でも、覚えていなかったのですが、「訳者あとがき」を読んで、分かりました。
これは、最近映画化されたのですよ。日本でも、今年の春、公開されたのですが、あまり話題になりませんでしたねぇ。主演がジャンヌ・バリバールというあまり知られていない女優さんだったからでしょうか。でも、アルマン・モンリヴォー役は、なんと、今年亡くなってしまったギョーム・ドパルデューなんですよ〜。見てみたかったです。

さて、この本ですが、読むのが、大変でした(^^;。
バルザックは、1800年代のフランスの文豪です。まず、こういう人の本を読み慣れていないので、最初の数ページで、挫折しそうになりました(^^;。
でも、なんだか謎めいた出だしで、面白そうだったので、頑張りましたよ〜〜。

しかし、その後も、「王政復古期の貴族階級に関する社会学的な考察」(訳者あとがきより)が続きます(TT)。
ここらへんは、頭を文字に集中していないと、すぐに上の空になってしまい、訳も分からぬまま、ページだけが進んでしまう状態でした(^^;。

そして、ようやく、ランジェ公爵夫人の物語になります。ここからは文句なしに面白かったです。
物語は、いわば、彼女とアルマン・モンリヴォーとの恋の駆け引きの物語。
ほとんどが彼女の思いのままに、アルマンが、手玉に取られているので、彼が、哀れに思えてなりませんでした。
しかし・・・。

この時代の恋の駆け引きは、命がけ・・・。まあ、今でも命がけになることもあるでしょうが、この当時は、社交界での評判が、一番重要なこと。まして、彼女たちは、そこでしか生きられない人たちなのですから、評判に傷が付いたら、一大事。
そして、何より、彼女は、”公爵夫人”。れっきとした既婚者なのでした。

そういう人たちに公然と恋人がいること自体、私は、戸惑ってしまうのですが、当時は、これは、特別破廉恥なことがない限り黙認という感じのようでした。
そういう意味では、今の結婚の概念とは、ちょっと違うのかもしれません。
いわば、子孫を作って、生活するための資金調達の手段という感じでしょうか。
このロマンスの間、公爵は、いったいどこで何をしていたのでしょう????

ところで、読後、「訳者あとがき」を読んだのですが、そこには、「飛ばし読みのおすすめ」が書かれてありました。やっぱりそうよね〜〜と、深く納得した次第です(^^)。 (2008,11,12)



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2007年 ランジェ公爵夫人