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ラスト・ディール 美術商と名前をなくした肖像      


2018年 フィンランド (TUNTEMATON MESTARI)
    

<監督>クラウス・ハロ
<キャスト>ヘイッキ・ノウシアイネン, ピルヨ・ロンカ

<ストーリー>
美術商のオラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)は、仕入れた絵が売れず、新しい絵画を買う余裕もなくなってきて、そろそろ店を閉めることを考え始めていた。そんなある日、オークションに出品される予定の絵画に目を奪われる・・・。

<感想>
年老いた美術商の最後のディール=取引を描いたフィンランドの作品です。

永年培ってきた絵画に対する”目”。
その目が、隠れた”本物”を見いだすことはあるのか・・・。

うらぶれた美術商の最後の情熱が、淡々と、しかし熱く描かれていて、静かな作品でありながら、ハラハラドキドキしてしまいました。
絵画オークションの様子も緊張感があり、目が離せませんでした。

人の一生には、様々なことがあり、その中には、深い後悔も潜んでいます。
でも、どんなに後悔しようとも過去には戻れないのが苦しいです。

監督と主演は、「ヤコブへの手紙」と同じです。
あの映画も淡々とした静かな作品でしたが、とても心に残る作品でした。
主演のヘイッキ・ノウシアイネンの演技が、両作品とも味わい深いです。(2021,03,21)



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