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「悪党たちは千里を走る」
貫井徳郎  


真面目に生きることが
嫌になった3人が企てる、
「人道的かつ絶対安全な」誘拐ーーー?
「慟哭」の著者がユーモアとスピードたっぷりに贈る、誘拐ミステリの新境地! (帯より)



「慟哭」「追憶のかけら」と、切なくて趣がある、私好みの本を書かれる著者の新刊です。
また、どんな風に泣かせてくれるのかなぁとぼんやり思っていたら、今回は、最初から趣向ががらりと違っていて、正直、面食らいました。
ノベルズのような、明るく、ユーモラスなタッチです。
あら、ちょっと失敗したかなと思っている間もなく、そのスピード感のある進展に、思わず引き込まれてしまいました。
私なりに犯人を想像していたのですが、全く違って、ちょっと残念だったのもありますが、犯人が、少々お手軽?という気もしましたが、他のメインの登場人物たちが、なかなか個性溢れる面々で、とても魅力的。読んでいて、思わずニヤリとしてしまうところも多々あって、楽しんで読み進むことが出来ました。面白かったです。 (2005.10.31)