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「一瞬の風になれB ドン」
  佐藤 多佳子


    


すべてはこのラストのために。人生が愛おしくなる感動長編! (帯より)



ほぼ1ヶ月に1冊の割で読み進み、これでやっと最終章です。

最初は、青春まっただ中の新二たちの若さに圧倒され、次に彼らの熱い気持ちが伝染して、この3冊目は、親戚の子に再会したときのような、さわやかな喜びに包まれました(^^)。

もう、新二たちは、バリバリの陸上選手。
ただがむしゃらに走っていた、1,2年のときとは違い、自分の気持ちも、体調も、癖も、悪いところも、全て分かった上で、更に上を目指します。
そうした上で、試合のその一瞬に、全ての力を注ぎ込むことができるなんて、なんてすばらしいんでしょう(^^)。
試合の時には、部員全員が、一丸となって、応援に力を注ぎ、選手の世話をするという一体感も、いいですね〜。

リレーのメンバーだけではなく、他の選手一人一人にも熱い仲間意識があり、お互いを思いやり、そして、競技になれば、それぞれが、強力なライバル。お互いに切磋琢磨して、「勝つっ!」と言いきれる強さ。
あぁ、なんだか、とってもうらやましいな。
そして、陸上部を引っ張る三輪先生も、とてもいいです。彼のような指導者を持って、彼らは幸せですね。生徒たちの結果に、我が身のことのように、喜び、涙を流す彼の熱い気持ちに、思わずウルウルしてしまいました。

一瞬にも思える100m。苦もなくバトンをつなげるリレー。でも、そこには、苦しい練習や、仲間との駆け引き、その他、たくさんの思いが詰まっているんですね〜。
陸上競技には、全く疎かった私も、何の違和感もなく、彼らの結果や記録に、いちいち一喜一憂してしまいました。

これからは、今まで全く興味の無かった陸上競技も、色々な大会や、オリンピックで見るたびに、ひと味違った見方が出来るような気がします。 (2007.05.25)


一瞬の風になれ@
一瞬の風になれA