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「説得」
ジェイン・オースティン















准男爵の娘アン・エリオットは二十七歳、独身で、影の薄い存在だ。八年前、周囲から反対されて海軍軍人のウェントワースとの結婚をあきらめたことが、いまだにアンの心に影を落としている。しかし、そんなアンに思いがけない再会が待ち受けていた。イングランドの美しい自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な恋心をしみじみと描くオースティン最晩年の傑作。(裏表紙より)



ジェイン・オースティンの小説を当時の出版順に読んできましたが、とうとうこの作品が、最後の作品です。
すっかり彼女の作品にはまってしまった私としては、読み終えてしまうのが、とっても残念!でも読みたい!と、苦しい?!心の葛藤を抱えながらの読書でした(^^)。

物語の主人公は、27歳の地味な独身女性、アン。
家柄は、貴族ではないものの、准男爵という名家で、父親も、独身の姉も、気位が高く、何より、とことん容姿にこだわるだけの、”恥ずかしい”家族。
容姿が年と共に衰えてきたアンは、そんな二人に、ないがしろにされつつ、静かに、暮らしていた。
実は、彼女は、八年前に、結婚をあきらめたことがあり、そのことが、いまだに心の隅に暗い影を落としていたのです。
そんな時、彼女は、その彼、ウェントワース大佐と、再会する・・・。

ジェイン・オースティン最晩年(42歳で死去)の作品です。
ヒロインは、年齢的にも、今までの作品に比べるとだいぶ上で、考えのしっかりした、落ち着いた女性です。

そんな分別のある彼女が、昔の恋人に再会して、心を千々に乱すのですから、読んでいる方としても、とってもやきもきさせられました。
物語は、アンの目線で語られるので、ウェントワース大尉の考えていることが、ちっとも分からないし、
そこにエリオット氏や、ベニック大佐が絡んでくるので、いったい、どうなってゆくのだか、ドキドキしてしまいました。

いわば、ハーレクインロマンスのような話(読んだことないけど(^^;)なのですが、
時代背景もあり、女性と男性の考え方の違いもあり、とても面白かったです。
ジェインの物事に対する考え方も、よく分かりましたし(^^)。

題名の「説得」は、アンが、叔母に説得されて、結婚をあきらめた事からきているそうです。
一度はあきらめた恋。
空白の8年間が、二人をさらに人間的に成長させ、よりよい状態で結びつけようとした・・・のでしょうかねぇ。
それにしても、8年は長すぎるーーー(^^;。

ということで、あぁ、とうとう、全作読んでしまいましたーーー。
寂しいーーー(T_T)。

そうそう、もう一度映画「ジェイン・オースティンの読書会」を見なくちゃ。 (2011,02,14)