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「パンドラの匣」
太宰治


「健康道場」という結核療養所で、死に怯えながらも、病気と闘い、明るく生きる少年と、彼の周りを囲む善意の人々との交わりを、書簡形式を用いて描きだす。生きることの喜びと希望を体感することのできる名作。 ((「BOOK」データベースより)



2009年は、太宰治生誕100年ということで、太宰映画がたくさん作られ、その中に「パンドラの匣」がありました。
その映画が、とっても良かったので、遅まきながら、原作を読んでみました。
普通、太宰って、青春時代に、耽溺するものなんだけどね〜(^^)。

健康道場に入所した青年”ひばり”の、青春物語です。
戦後の混乱期、
戦争という、重い枷から放たれた、”新しい男”が、結核を患いながらも、生き生きと青春時代を過ごします。

この時代の青年たちは、若さなりのバカもやるけれど、
年上や、女性に対する礼節をわきまえ、思慮深く、常識もあって、とてもすがすがしいですね〜。
ひばり君、いい青年でした。
太宰作品の中では、明るくて、共感しやすい作品のように感じました。

映画を先に見たので、どうしても映画のイメージが強くて、ついつい比べてしまいました。
映画は、原作とは、ちょっとした設定の違いはあるものの、太宰に敬意を表した描き方をしていて、
やっぱり、良くできた作品だったなと再認識。
むしろ、人物は、映画の方が、生き生きとしていたように思います。
やっぱり、キャストが良かったのよね〜。
映画では、女性のメインは、マア坊のように見えましたが、原作では、竹さんメインでした。



今回は、電子書店パピレスでダウンロードしておいたものをケータイで読みました。
短めの文学作品を大量にSDカードに保存してあるので、
ちょっとした外出時に手軽に読めるので、重宝しています。 (2011,03,23)