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ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密      2002年 アメリカ コメディー
<監督>カーリー・クーリ
<出演>サンドラ・ブロック , エレン・バースティン , フィオヌラ・フラナガン , アシュレイ・ジャッド , マギー・スミス , ジーナ・マッキー , ジェームズ・ガーナー
<内容>劇作家のシッダ(サンドラ・ブロック)は、タイム紙のインタビューを巡って母親のヴィヴィ(エレン・バースティン)と大げんかをし、親子の縁まで切りそうな勢い。そんな彼女たちを心配したヴィヴィの親友3人が集まって、二人の仲を取り持とうとする・・・。
*****

母親の親友たちによって、母の知られざる若き日の姿を知った娘が、母を理解するというお話です。
現代の話の中に、母が若かったときの時代が挿入されます。
現代の娘をサンドラ・ブロック、母親をエレン・バースティン。そして、若かりし頃の母親をアシュレイ・ジャッドがそれぞれ演じています。
この、エレン・バースティンが、素敵なこと!この映画撮影時、彼女の御年は、ちょうど70歳。年相応の体型や、顔つきになっていますが、そのファッションのせいもあるのか、とっても綺麗で素敵です。西欧の女性は、年を取っても、ちゃんとお化粧をして、明るい色の洋服を着てるところがいいですね。私も、そんな風に年を取りたいな。
アシュレイ・ジャッドも熱演です。彼女は、こんな激しい気性の女性がよく似合っています。

でも、映画自体には、いろんな疑問が残りました。いったい、ヴィヴィは、何をそんなにいらついていたのでしょうか?有名になりたいって、具体的に、どんな夢があって、それが叶えられなかったために、病んでしまったのでしょうか。そのところがはっきりしなかったので、彼女の苦しみが、あまり伝わってきませんでした。
その上、こんなひどい体験をした子供たちに、母親の病気をこんな年になるまで隠していたなんて、ちょっとひどいです。病気のために、いろんな事があったのだと、理解していたら、シッダも、こんなにトラウマで苦しむことがなかったでしょうに。

そんなこんなで、エレン・バースティンや、アシュレイ・ジャッドの演技には、目が釘付けでしたが、何となく、サンドラ・ブロックに感情移入できないまま、映画が終わってしまいました。(2005,02,16)

約三十の嘘      2004年 日本 サスペンス・コメディー   
<監督>大谷健太郎
<キャスト>椎名桔平 , 中谷美紀 , 妻夫木聡 , 田辺誠一 , 伴杏里
<ストーリー>大阪からトワイライトエクスプレスに乗り込む5人の詐欺師たち。彼らは、3年前に起こったある事件以来、初めて再びチームで仕事をする計画だった。あの事件以来、壊れてしまった元リーダーの志方(椎名桔平)の代わりに、今回リーダーになったのは、ちょっと頼りなげな久津内(田辺誠一)だったが・・・。
*****

映画館で予告を見たとき以来、気になっていた映画です。
元々は、同名の舞台劇だったらしく、いかにも、舞台らしい設定です。どうも、舞台劇を映画化すると、映画としては、動きがなくて、面白味に欠けるのですが、この映画は、逆に、それが新鮮に感じられました。
話は、ほとんどがトワイライトエクスプレスの中だけで、進んでゆき、詐欺のシーンや、3年前の事件の回想シーンとかは、全くありません。
詐欺の計画を立てる行きの列車と、お金の入った鞄がメインになる帰りの列車が舞台です。
この設定が、すごく意外で、面白かったです。
行きと帰りで、立場が、ガラッと変わってしまっていて、それによって、実際には、描かれていない詐欺の現場が想像できるのも、楽しかったです(^^)。
キャストも、それぞれの持ち味を生かしたキャスティングになっていて、安心して見ることが出来ました。中谷美紀、綺麗〜〜(^^)。

ただ、鞄のカギで仲間意識を高めるというのが少々安っぽくて説得力に欠けるのと、帰りの列車の中での謎解きや詐欺師同士の騙し合いが、泥臭くて、スマートでないのが、残念でした。もっとセンスよく作れるネタのような気がするんだけどなぁ。まあ、それが、一流の詐欺師になれないゆえんということで、ちょうど合っているのかもしれないですけどね。

それから、予告編の時から、やたらに、大きなパンダのぬいぐるみのゴンゾウが目立っていたのですが、彼は、全然意味なかったんですねーー。それが、ちょっと心残りでしたーー(^^)。
でも、楽しい映画でしたよ〜(^^)。(2005,12,01)

約束 ラ・プロミッセ      1999年 フランス
<監督>ドニ・バルディオ
<キャスト>ミシェル・セロー, ジョナサン・ドゥマルジェ
<ストーリー>小児癌に冒され、入院中のマーティ(ジョナサン・ドゥマルジェ)だが、病状が安定しているときは、人一倍元気で、病院内を駆け回って、いたずらをしまくっていた。そんなある日、マーティが潜り込んだ病室には、全身麻痺の老人、アントワーヌ(ミシェル・セロー)がいて、マーティは、ことのほかそこが気に入ってしまった・・・。
*****

舞台は、病院です。しかも、主役は、予後不良らしい病人二人。
それが分かったとたん、気が重くなりそうなので、見るのをちょっとだけ躊躇してしまいました。

でも、その心配はありませんでした。
冒頭、重病人らしかった少年は、本編が始まると、もう、元気いっぱいに走り回っていて、悪ガキの典型のような子になっています。
そして、彼が出会うのが、全身麻痺状態のアントワーヌ。
全身麻痺ですから、動くことはもちろん、言葉を発することも出来ない寝たきり老人です。
そんな二人の物語が、どうやって進んでゆくのか・・・?ここが、この映画のすばらしいところで、とても素敵でユニークな発想があるのです。

重篤な病人二人が主人公なのに、暗さは、あまりありません。と言うよりも、むしろ、ニコニコと見ていられるということが、また、すばらしいです。
そして、このどうしようもない悪ガキ、マーティに、最初は、何をしでかしてしまうものやらと、ハラハラしてしまいましたが、次第に彼の優しさが、胸にしみてきます。
いつも病人の世話をしている先生や、看護師には出来ない発想を、このマーティは、してくるんですよね。ただ、こんな事を考えたり、行動したりするのは、やはり彼が、本来は、看護される側の病人だからこそなんでしょう。そう思うと、やはり悲しく切ないことです。

寝たきり老人、アントワーヌも、マーティとの出会いによって、どれだけ救われたことでしょう。人間には、必ず死が訪れるわけですが、アントワーヌの最後の人生は、マーティのおかげで、この上なく、幸せなものになったことだと思います。

私は、この映画の存在を全然知らなかったのですが、見て良かったと、心から思いました。
厳密に言えば、こんな事はあり得ず、ファンタジーのジャンルに入るのかもしれませんが、この映画を見たおかげで、もし身近に病人がいたら、優しく看病できるような気がします。

アントワーヌ老人役を、フランスの名優ミシェル・セローが、目と語りだけの演技で、見事に演じきっています。これはすばらしい!
子役のジョナサン・ドゥマルジェも、溌剌としていて、すごくいいです。
笑いと涙と感動が胸に迫る良質の映画です。(2006,02,03)

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焼け石に水      2000年 フランス コメディー
<監督>フランソワ・オゾン
<出演>ベルナール・ジロドー , マリック・ジディ , リュディヴィーヌ・サニエ , アンナ・トムソン
<内容>20歳のフランツ(マリック・ジディ)は、恋人アナ(リュディヴィーヌ・サニエ)とのデートがあるにもかかわらず、中年男性のレオポルド(ベルナール・ジロドー)の部屋まで付いてきてしまう。そして、二人は関係を持ち、そのまま、同棲生活にはいるのだったが・・・。
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4章に分かれる室内劇です。元が戯曲なので、舞台になるのはレオポルドのアパートだけ。登場人物も4人です。
メインは、中年男性のレオポルドと20歳の青年フランツ。二人は、恋人同士になるのですが、なんともこのレオポルドが、いやな奴なのです。フランツを部屋に招き入れたときは、まだ紳士的なのですが、同棲を始めてからのひどいこと。肉体的な暴力をはたくわけではないのですが、言葉の暴力でフランツをいたぶります。それでも、彼を愛してしまったフランツは、別れられないのでした。愛って、耐えることなのねーー(^^;。

見終わって、この題名が、何で「焼け石に水」(原題も同じ)なのか、ずっと考えてました。
考えてみたら、このレオポルド、昔からいやな性格は、変わっていないのです。昔同棲していたヴェラにしても、この青年フランツにしても、そして、新しく関係を持ったフランツの恋人アナにしても、彼の性的魅力の虜になってしまった後は、彼の奴隷のようになってしまう。どんな新しい恋人が現れても、それは、彼にとっては相手が新しくなるだけで彼の本質には変わりはないていうことでしょうかね。
ほんと、いやなやつ!

この映画のジャンルはコメディーなのですが、そんなに笑える所は多くありません。でも、ラスト近くに、思わずニヤニヤするところがあります。あれ?これは、「8人の女たち」を見たときの衝撃?と同じだ!と思っていたら、同じ監督さんの作品でした。う〜ん、なんというか、不思議なシーンです(^^)。(2003,07,14)

やさしい嘘      2003年 フランス・ベルギー 
<監督>ジュリー・ベルトゥチェリ
<キャスト>エステル・ゴランタン 
<ストーリー>グルジアに住むエカおばあちゃん(エステル・ゴランタン)の楽しみは、フランスで仕事をしている息子のオタールからの手紙だった。しかしある日、同居している娘マリーナ(ニノ・ホマスリゼ)の元へ、オタールが事故で死んだと連絡が入る。心臓の悪いおばあちゃんがショックを受けないようにと、マリーナとその娘のアダ(ディナーラ・ドルカーロワ)は、オタールの事故死を隠すことにするが・・・。
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心臓の悪いおばあちゃんに息子の死を隠そうとするのは、優しさであり、思いやりだと思います。ただ、彼女たちの誤算は、思いの外おばあちゃんが元気だったこと。そして、彼女の家族への愛情の強さでした。
それにしても、もっと早く真実を告白していればどうなっていたのでしょうか。その機会は、何回もあったと思うのに。まあ、それは、後からなら、どうとでも言えることですが・・・。

それにしても、グルジアの暮らしは、苦しそうでしたねーー。まともに仕事がないのか、まさに生活の切り売り状態。そんな中、3人の飛行機代を捻出して、ビザまで取得してしまうこのエカおばあちゃんは、なんて、すごいパワーと行動力なんでしょう。これこそが、母の愛、祖母の愛ですね。
結局それによって、新たな別れがもたらされるのですが、子供は、いつかは親の元を離れてゆくんですから、これでいいのでしょう。

エカおばあちゃんを演じるエステル・ゴランタンは、当時90歳近かったとか。そうとは思えない元気さでした。丸くなった背中のふくよかなこと!あの背中に触りたいな〜〜(^^)。階段を上るのが、本当にしんどそうで、ちょっとハラハラしてしまいました。(2005,11,15)

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山の郵便配達      1999年 中国
<監督>フォ・ジェンチイ
<キャスト>トン・ルーチュン , リィウ・イエ 
<ストーリー>1980年代の中国。長年、山間地帯に住む人たちに、郵便を配達していた男(トン・ルーチュン)は、足を悪くして、引退することになった。その仕事を息子(リィウ・イエ)が引き継ぐことになり、最後に一緒に2泊3日の配達の旅に出る・・・。
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郵便配達を引退する父親が、息子とともに最後の配達に出かける物語です。
その2泊3日の配達の時間の中で、父の人生が描き出されます。
それは、重い郵便物と責任を背負って、険しい山道を進む辛い仕事でした。
その仕事の過酷さが骨身にしみている両親は、息子にこんな辛い仕事をさせることを躊躇しますが、一方でこの仕事を誇りに思っている父は、自分の仕事を息子が継いでくれることがうれしくない訳がありません。
道中、寡黙な父親が息子に語る言葉はごくわずかです。
でも、そのわずかな言葉には、息子に全てを託す父の熱い思いがこもっているように思いました。

最後の夜、息子と一緒に小屋で休んだ父親は、無心で寝入る息子の顔を見て、これまでの苦労が全て報われた思いがしたのではないでしょうか。そんなささやかなことで、それまでの長い人生の幸せをかみしめられると言うことは、やっぱり素敵なことですよね〜〜。

見ているうちに、なんだか日本の少し前の情景を見ているような、懐かしい気持ちになりました。
そして、そう言えば、お手紙なんて、今の時代、ほとんどなくなってしまったんだなぁと、なんだか寂しさも感じてしまうのでした。(2005,10,17)

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闇を見つめる瞳      1995年 アメリカ サスペンス
<監督>ウェズリー・ストリック 
<出演>ダリル・ハンナキース・キャラダイン , ヴィンセント・スパーノ 
<内容>病気で、自分の子供をもてない夫婦は、養子縁組をするために、養護施設を訪れる。そこで、出会った子供に、運命的なものを感じた夫婦は、その子を引き取ることにする。しかし、その子の両親は、強盗殺人を繰り返す凶悪犯だった。
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久しぶりに、ちょっと、怖めのものが見たくて、見てみました。この監督さんは、「ゆりかごを揺らす手」「ケープ・フィアー」の制作や、脚本をした人で、犯人の、異常性が、怖ろしかったです。それに、作品の出来を左右する子役ちゃんが、なかなか名演技でした。それにしても、この手の映画で描かれる警察官って、ほんと、頼りにならないんだから!!(2001,09)

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ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎      1985年 アメリカ アドベンチャー・ミステリー
<監督>バリー・レヴィンソン
<出演>ニコラス・ロウ , アラン・コックス , ロジャー・アシュトン=グリフィス
<内容>若き日のシャーロック・ホームズ(ニコラス・ロウ)とその相棒ワトソン(アラン・コックス)の、出会いと冒険の物語。ロンドンの学校に転校してきたワトソンは、鋭い洞察力を持つホームズとすぐに友達になった。そしてある時、ホームズの恋人エリザベスの叔父が不審な死に方をしたことから二人は大きな陰謀に巻き込まれてゆく・・・。
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シャーロック・ホームズを書いたコナン・ドイルの作品ではないと映画の最初に断りがあります。実際、ドイルは、彼らの子供時代の話は書いてないそうです。この作品は、ドイルと、彼の作品への敬意が込められたもので、また、多くのシャーロキアンへのプレゼントなのでしょう。

私は、子供の頃からミステリーが好きだったので、子供用のホームズの本を読んだり、ドラマ化されたテレビを見たりはしましたが、実際には、彼の相棒のワトソンの存在や、トレードマークのパイプや衣装を知っている程度なので、その始まりを創作したこの作品は、興味深かったです。
制作国は、アメリカですが、町並みや、人々の様子は当時のイギリスそのまま・・・といっても本当のところは、知りませんが(^^;・・・この時代を背景とした映画って、本当に、魅力的です。

でも、ストーリーが、途中から、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」と、あまりにもそっくりなので、びっくり!!!(^^;。
これは、どうしたことかと思ったら、制作総指揮が、スティーブン・スピルバーグでした。それにしても、ここまでそっくりなものを作るとはねぇ。しかも、制作年度は、わずか1年の違いですよ。子供版、インディを作りたかったのかしら??

舞台がイギリスなので、彼らの通う学校は、まるで「ハリー・ポッター」の魔法学校ホグワーツでした。また、ホームズと、ワトソンを演じる子たちも、ロンと、ハリーにどことなく似ていて、あぁ、これが、イギリス少年の典型的な顔なのかと、面白く見れました(^^)。ホームズのライバルの名前がダドリーというのも、何かの因縁でしょうかね。

ラストの意味が最初は、分からなかったのですが、シャーロキアンならば、思わずニヤリとするところだったんですね〜(^^)。(2004,10,09)

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ヤング・ブラッド      2001年 アクション・歴史   
<監督>ピーター・ハイアムズ 
<出演>ジャスティン・チャンバース , カトリーヌ・ドヌーヴ , ミーナ・スヴァーリ , ティム・ロス , スティーヴン・レイ , ダニエル・メズギッシュ , ニック・モラン
<内容>1625年フランス。14年前に両親を殺されたダルタニアン(ジャスティン・チャンバース)は、育ての親のプランシェと共に、仇を討つためにパリに向かう。しかし、パリで、彼を待っていたのは、亡き父と同じ銃士達の覇気のない姿だった。と言うのも、枢機卿(スティーヴン・レイ)の策略によって国王の警護の任を解かれていたためだった・・・。
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映画のコピーが「5秒間で30撃!重力無視の空中アクション!」ということで、ワイヤーアクション満載の活劇でした。予告編にあった、出初め式顔負けのはしごによるアクションだけでなく、天井も、樽も、塔も使って、様々なアクションの連発です。見応えありました。
しかも、主演のジャスティン・チャンバースのかっこいいこと!さすがに、モデル出身だけあって、その容貌にはうっとり。デビュー作の「ウェディング・プランナー」とは、大違いです。きっと、あのコスチュームがいいんでしょうね〜。帽子が、ことのほかよくお似合いです〜(^^)。
三銃士物は、レオの「仮面の男」しか見ていないし、原作ももちろん読んだことはないので、私には何の違和感もないダルタニアン物でした。でも、一度は、ちゃんとした三銃士を見てみなくっちゃね(^^;。(2003,04,24)

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ヤングガン      1988年 アメリカ アクション・ウェスタン
<監督>クリストファー・ケイン
<出演>エミリオ・エステヴェス , キーファー・サザーランド , ルー・ダイアモンド・フィリップス , チャーリー・シーン , ジャック・パランス , ダーモット・マローニー , テレンス・スタンプ 
<内容>町でチンピラをしていたビリー(エミリオ・エステヴェス)は、牧場を経営している英国人のタンストール(テレンス・スタンプ)に拾われて、他の5人の若者と共に成長してゆく。しかし、ある時、タンストールと敵対するマーフィにタンストールが殺されてしまう。残された6人の若者は、タンストールの復讐を誓う・・・。
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久しぶりに見ました西部劇。でもこれが、どうも当時のアイドル映画らしい・・・(^^;。当時26才のエミリオ・エステヴェス、22才のキーファー・サザーランド、23才のチャーリー・シーン、26才のルー・ダイアモンド・フィリップス。みんな若くて、感慨ひとしお(^^)。
特に、今「24」を見ている最中なので、16年前のキーファーを見れたのが、うれしかったです。やっぱりお父さん(ドナルド・サザーランド)にちょっと似てるよね。
ルー・ダイアモンド・フィリップスも、顔が特徴的なので、脇役としてよく知っていましたが、この映画の彼は、長髪でハッとするほど素敵です(^^)。

映画の内容は、ビリー・ザ・キッドの話なのですが、ビリーを演じるエミリオ・エステヴェスに、感情移入できなくて、退屈しました。
タンストールを殺された後、彼らが急に保安官のように振る舞うのも唐突だったし、逮捕状を持っていながら逮捕しないですぐに殺す所なんて、何でよーー!と思ってしまいました。
年齢的に、きっと10代の若者なので、無軌道で、自分の力を過信しているんでしょうけど、それにしてもビリーの言動は、いちいち気に障りました(^^;。もうこれは、私が、おばさんって、事だからでしょうかね(^^;。
この映画、続編も出来たので、当時はやはり話題の映画だったのでしょう。(2004,06,10)

ヤンクス      1979年   ドラマ
<監督>ジョン・シュレシンジャー 
<出演>リチャード・ギア、リサ・アイクホーン, エヴェレット・マッギル , チック・ヴェネラ 
<内容>大戦中、イギリスに駐留していたアメリカ軍の兵士たち(ヤンクス)と、イギリスの女性たちとの出会いと、別れ。
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映画では、若いカップルのリチャード・ギアと、中年の落ち着いたカップルの二組に、視点を置いて、描いています。イギリスの田舎町に、若いアメリカ兵たちが、駐留するのだから、地元の人たち(特に、若い娘のいる親たち)が、警戒するのも、わかるけれど、やはり、若者たちは、惹かれ合ってしまう。でも、それには、必ず、別れが、あるのです。20年以上前の映画で、画面が、だいぶ古くさい感じでした。でも、最後の若い二人の駅でのシーンは、とっても、よかったです。あの感情は、今も、昔も、不変ですね。それにしても、リチャード・ギアって、随分昔から、俳優さんだったんですね(^^;。今でも、十分セクシーです(^^)。(2001,02)

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ヤンヤン 夏の想い出       2000年 台湾・日本 
<監督>エドワード・ヤン 
<出演>ジョナサン・チャン , ケリー・リー , イッセー尾形
<内容>台北で家族と暮らしている小学生のヤンヤン。叔父の結婚式の日に、祖母が脳卒中で倒れ、昏睡状態となる。医者に、回復には話しかける事が効果があると言われて、家族は交代に答えることのない祖母に話しかけるのだが・・・。
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173分の長編です。カンヌ映画祭の監督賞を始め、いろいろな賞を受賞しました。イギリスの雑誌でも、映画評論家が選ぶ「過去25年のベストテン映画」の10位に選ばれていました。
題名がヤンヤンでも、彼が、主人公というわけではなく、彼の家族が直面する様々な出来事が描かれている群像映画です。祖母が倒れてから亡くなるまでの期間なのですが、邦題からすると、2〜3ヶ月って事でしょうか。その間、いろいろなことがあります。結構、大事件の連続なのですが、それが、淡々と描かれていました。面白かったのは、イッセー尾形が、日本のゲームクリエーターとして出てくるところでした。誰一人知らない俳優さんの中で、なじみがあるし、また、彼のアドリブだと思われる日本語のちょっとしたセリフが笑わせてくれました。
でも、私は、この映画が、何でこんなに高い評価を受けたのか分からなかったです。この淡々とした映像がよいのでしょうか。大家族で、住んでいる割に、皆バラバラで、家族としての繋がりが希薄です。祖母が倒れ、母が山にこもり、父が会社を辞め、昔の恋人と旅行する・・・。こんな大事件の連発なのに、静かすぎる・・・(^^;。また、少し時間を置いて見たら、もっと深く感じることが出来るかもしれませんが・・・。(2002,11,16)

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ユー・ガット・メール      1998年 アメリカ  ラブロマンス   
<監督>ノーラ・エフロン
<出演>メグ・ライアントム・ハンクス, パーカー・ポージー
<内容>ニューヨークで、小さな書店を経営しているキャサリンは、恋人の目を盗んでは、ネットのメールを、楽しんでいた。ところが、彼女の店の向かいに、大型書店のチェーン店が出来、彼女の店は、閉店に、追い込まれてしまう。。
*****

安心してみていられるラブロマンスです。メグ・ライアンもトム・ハンクスもいかにもそれらしい。しかも、ネットでメールをしたことのある人なら、おもわず、「そう!そう!」と、思ってしまう、二人の行動(^^)。と、途中までは、よかったのですが、最後の方のトム・ハンクスの行動は、私は、許せなかったです。(2001,03)

ユージュアル・サスペクツ          1995年 アメリカ   サスペンス      
<監督>ブライアン・シンガー
<出演>スティーヴン・ボールドウィンガブリエル・バーン ケビン・スペイシーベニチオ・デル・トロ, チャズ・パルミンテリ
<賞>アカデミー助演男優賞(ケビン・スペイシー)、アカデミー脚本賞
<内容>ある事件の面通しで集められた五人の前科者が起こした船の炎上事件。この事件の裏には、謎の人物カイザー・ソゼの影が見え隠れする。その事件の真相を解明しようと生き残りのヴァーバル(ケビン・スペイシー)の口を割らせようとする刑事だったが・・・。
*****

◎美和子さん(映画好きの姉です(^^)おすすめのガブリエル・バーンもの。入り組んだストーリーで、俳優さんたちも、なかなか良いんだけれど、体調が悪かったのか、ファーゴのように、数え切れないほど寝てしまったわ。再見したい作品です。(1999,04)
◎またまた見てみました。前回は、思いっきり寝てしまったので、今回は、しっかり見ようとしたのですが、やっぱり、何回か睡魔に襲われてしまいました・・・(^^;。もう結末が分かっていたので、面白く見れるかどうか心配だったのですが、込み入った話を理解しながら見ていると、やはり面白かったです。なにより、ガブリエル・バーンと、ケビン・スペイシーの存在感と、前回存在すら知らなかったベニチオ・デル・トロを見れたことがよかったです。

全部が、あの部屋に入ってから考えた作り話とは、さすがに、話し好きな詐欺師です。どこからどこまでが真実だったのか?? 全身やけどを負った生き残りが、カイザー・ソゼの名前と顔を知っていたのだから、あの時船の中で射殺した人以外にも、彼の顔を知っていた人がいたことになると、話のつじつまが合わないような気もするし、面通しで、彼ら4人を集めた理由はソゼの仕事をじゃましたからなのか?それとも、それ自体が、作り話だったのか?そこら辺も、謎ですーーー。もう一回見ないとダメなのかしらーーー(^^;。(2002,10,21)

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ユートピア      2003年 スペイン・フランス スリラー・ファンタジー   
<監督>マリア・リポル
<キャスト>レオナルド・スバラグリア , ナイワ・ニムリ , チェッキー・カリョ , フェレ・マルティネス , ジョゼ・ガルシア
<ストーリー>予知能力を持つ青年アドリアン(レオナルド・スバラグリア)は、爆破事件の予知夢を見て、警察に通報するが、警察は、本気にしない。しかし、その事件は実際に起こり、刑事の妻子も巻き込まれてしまう。6年後、彼は繰り返し夢に見る女性、アンヘラ(ナイワ・ニムリ)を探し出そうとしていた・・・。
*****

自分の予知能力を、もてあまし、それによって苦悩する青年アドリアンが主人公です。 確かに、事故や、事件で、人が死ぬシーンを繰り返し夢で見てしまうのは辛いですし、それをどうすることも出来ないのでは悲劇です。
彼のような才能を持つ人を集めたのが、ユートピアという団体なのですが、このグループが、いったい何をしようとしていたのか、分かりにくくて、疑問でした。
結局は、彼が、予知夢を見る段階から一歩踏み出して、それを現実のものとして受け入れる事によって、事態が進展します。
映画を見ていて、はっと気がついたことは、過去に行くタイムトラベルと違って、予知夢の未来は、変えられると言うことですね。未来を変えることは、何の障害もなく、それによって未来が開けることもあるのですから。
人は、いろいろな才能を持って生まれるものですが、こんな才能は、やっぱりいらないですねぇ。(2005,10,13)

誘拐   1997年 日本          
<監督>大河原孝夫
<出演>渡哲也、永瀬正敏
<内容>企業重役が誘拐された。そして、犯人の要求する身代金受け渡しとは・・・?
*****

なかなか良かったです。とくに、身代金を担いだ人が、報道陣とともに、右往左往する滑稽さ。でも・・・一番肝心なところを、見逃したあ・・・(T_T)(T_T)。(1999,08)

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誘拐犯      2000年 アメリカ 犯罪・アクション・サスペンス     
<監督>クリストファー・マッカリー
<出演>ライアン・フィリップベニチオ・デル・トロ 、 ジェームズ・カーン ジュリエット・ルイス
<内容>働きもしないでその日暮らしの生活をしている、ロングボー(ベニチオ・デル・トロ)と、パーカー(ライアン・フィリップ)は、ある話を聞き込んできた。大富豪のチダックが、若い後妻が妊娠するのをいやがったために、代理母ロビン(ジュリエット・ルイス)に、自分の子供を出産させるというのだ。それを聞いた、二人は、ロビンを誘拐して、身代金を手に入れようと考えるのだが・・・。
*****

人間関係や、それぞれの事情が、込み入りすぎてて、面白くなかったです。ちっとも主人公の二人に好感が持てないし。それに、ジュリエット・ルイスも出産間際の妊婦の歩き方って、あんな感じじゃないでしょう。ものすごく違和感がありました。それと、あの銃撃戦、無駄弾使いすぎだし・・・(^^;。ラストは、明日に向かって撃て!に似てたけど、似てるだけで、ちっともよくなかった。チダックと、あと二人のお年寄りも、見分けがつきにくかったし(これは、私の問題ですが・・・(^^;)。黒人のガードマンは、かっこよかったです(^^)。それにしても、ベニチオ・デル・トロって名前もすごいけど、見れば見るほどすごい顔だった(^^)(2002,05)

勇気あるもの 1994年 アメリカ  ドラマ
<監督>ペニー・マーシャル 
<出演>ダニー・デヴィート、グレゴリー・ハインズ、マーク・ウォールバーグ  
<内容>陸軍の新入隊員の中でも、特に、成績の悪い者たちの、教育係になった、レスゴー。彼もまた、会社を首になり、借金だらけで、娘にも、嫌われている男だった。そんな彼らだったが、生徒たちは、シェークスピアに触れて、少しずつ、心を開き始める・・・
*****

低い身長で、ころころに太った、ダニー・デヴィートが、かわいい(^^)。とくに、彼が、「勝利の塔」から、必死になって、降りてゆくところは、笑い転げる(^^)。あと、ラップのハムレットも、よかったです(^^)。・・・題名から、かってに、西部劇かと思ってました(^^;。この題名は、内容とちょっとあわないような気がするけど・・・(^^;。英語の題名は、RENAISSANCE MAN。(2001,01)

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誘惑のアフロディーテ      1995年 アメリカ
<監督>ウディ・アレン
<出演>ウディ・アレン , ヘレナ・ボナム=カーター , ミラ・ソルヴィノ , F・マーレイ・エイブラハム , オリンピア・デュカキス
<賞>アカデミー助演女優賞(ミラ・ソルヴィノ)
<内容>子供のいないワインリブ夫妻は、生まれたばかりの赤ん坊を養子に迎えた。はじめ養子に反対だった夫のレニー(ウディ・アレン)だったが、すぐに息子のマックスにメロメロになる。しかし、マックスの全てを知りたくなったレニーは、マックスの実の母親を捜し始めるのだった・・・。
*****

ウディ・アレンの作品は、少々苦手なのですが、何しろ話題作が多いので、ついつい見てしまいます。
この映画は、ミラ・ソルヴィノのアカデミー助演女優賞受賞作です。

はじめから、ギリシャ神話の登場人物達が円形劇場(?)で、朗々と演じるので、違和感を感じてしまいました。見るのを止めようかなと何度思ったことか・・・(^^;。
でも、見ているうちに彼らが、ストーリーに介入してくるその優しい心遣いに思わず顔がほころんでしまいます。結構いろんな事を言って、脅かしたりするのですが、それも、なかなか愛嬌があっていいんですよね〜。
アカデミー助演女優賞受賞のミラ・ソルヴィノは、お色気たっぷりの娼婦の役で、こういう役でアカデミー賞を獲得できるんだなぁと、ちょっと驚きましたねぇ。

この映画の見所は、なんといってもウディ・アレン演じるレニーの心優しさです。
妻のすることなす事にいちいち反対する割には、全てそれを受け入れてしまうレニー。そして、息子マックスの実母に、ちゃんとした女の幸せをつかませようと努力する彼。それはもう、微笑ましいものです。
ただ、やっぱり、私は、ウディ・アレンのあのおしゃべりがあまり好きじゃないんです。というより、彼のウィットの効いた会話の面白さが分からないのでしょうねぇ。
ともあれ、この作品で、彼の監督作品を見たのは6作目で、だいぶ慣れてきましたので、今まで見た作品も、今見直すと、また違った感想になるかもしれません。(2004,02,27)

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夢の降る街      1991年 アメリカ ロマンス・ファンタジー
<監督>テリー・ヒューズ
<出演>デミ・ムーア , ジェフ・ダニエルズ , ジョージ・ズンザ , メアリー・スティーンバージェン , フランシス・マクドーマンド
<内容>運命の人を待ち続けるマリーナ(デミ・ムーア)は、ある日、小舟でやってきた肉屋のリオ(ジョージ・ズンザ)をその人だと信じ、すぐに結婚し、ニューヨークにやってくる。そして彼女は、生まれつきの予知能力によって、街の人々を幸せに導くのだが・・・。
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まあ、このデミ・ムーアには、びっくり!綺麗な金髪で、すごく乙女チック。こんな可愛らしい役もやってたんですね〜。
マリーナの生まれが、島なので、最初は裸足だし、着ている服も、とってもフェミニン。そして、思いこみの激しい役が、ぴったり彼女に合ってました。
ただ、始めから、この肉屋さんとは・・・で、結局は、あの人と・・・になるんだろうな、と分かってしまう、なんとも単純なストーリーでしたね。でも、それも、安心してみていられるから、ぼーっと気楽に観たいときにはいいかも。
でも、デミ・ムーアって、ウエストが、ないのねと、新発見もしてしまいました(^^)。←いやー、女の目って怖いよねーーー(^^;。(2003,08,16)

●作品名インデックスへ
ユリシーズの瞳      1995年 フランス・イタリア・ギリシャ
<監督>テオ・アンゲロプロス
<出演>ハーヴェイ・カイテル , マヤ・モルゲンステルン
<内容>バルカン半島で、最初に映画を撮影したマナキス兄弟の未現像の3巻のフィルムを探し求めて、映画監督A(ハーヴェイ・カイテル)は、アルバニア、サラエボなどの国をさまよい歩くのだった・・・。
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さすがにカンヌで賞を取っただけのことはある超難解な映画です。これを観ていて思いだした映画は、やはりカンヌで賞を獲った「永遠と一日」。ギリシャといい、国境の風景といい、すごくよく似ているのですが、何のことはない、同じ監督の映画でした(^^;。監督をよく確かめてから、映画って観るもんですねぇ(^^;。
この作品の方が、「永遠と一日」よりも3年ほど前の作品です。だからなのか、一段と難解でした。

映画は、映画監督Aの生まれ故郷、ギリシャでの作品上映反対集会から始まり、Aの子供時代の追想シーンに入り込んだり、マナキス兄弟にすり替わったり、時代を超越しています。そして、彼の恋人?になる女性が、同じ女優さん(たぶん(^^;)だったり、観ていて、混沌状態になってゆきます。
唯一画面が明るいシーンは、親族が集まる年越しのパーティーのシーン。ここは、面白い作りでした。同じ場面を使って、数年間の時代の混乱を現しています。
そして、やっとフィルムの現像に成功し、しかも、戦乱時の「安全」を意味する濃霧の中でのあの銃声は、衝撃的でした。

こうして感想を書いていると、いくつかのシーンが、思い出されて整理しやすいのですが、観ている時は、眠気との闘い。時として、その闘いに敗れた私でありました。本当に、辛くて長い(177分!)映画でした(T_T)。途中で止めずに、最後まで観られたのが、不思議なぐらいで、その点は、自分を褒めてやりたい!(^^)。もう、2度と観ることはないでしょう・・・。(2003,08,09)

八日目   1996年 ベルギー、フランス   ドラマ          
<監督>ジャコ・ヴァン・ドルマル
<出演>ダニエル・オートゥイユ、パスカル・デュケンヌ 
<内容>仕事人間の男と、蒙古症の青年ジョルジュの出会い。
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ジョルジュ役の俳優は、本当の蒙古症だという。撮影で、風邪などひかなかったかしら・・・心配。

●作品名インデックスへ
容疑者      2002年 アメリカ 犯罪   
<監督>マイケル・ケイトン=ジョーンズ
<出演>ロバート・デ・ニーロ , フランシス・マクドーマンド , ジェームズ・フランコ , エリザ・ドゥシュク , ジョージ・ズンザ 
<内容>ニューヨーク市警の敏腕刑事、ビンセント(ロバート・デ・ニーロ)は、ある殺人事件の容疑者が、離れて暮らす息子ジョーイ(ジェームズ・フランコ)であることを知りショックを受ける。事件の捜査からはずされたビンセントに、今度は、ジョーイが彼の同僚刑事を射殺したという報告が入る。しかし、ジョーイから無実を訴える電話がかかってきた・・・。
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なかなか複雑で、味のある話だと思ったら、報道ジャーナリストで、ピュリッツァー賞を受賞した、マイク・マッカラリーの取材記事が原案となっているということでした。
でも、残念ながらこの作品は、その面白さを十分には表現出来ませんでしたねぇ。
前半がトロトロ進むので、興味が削がれてしまいます。後半になって問題点が全て露出してきて、やっと面白くなってきました。
お父さんの問題や、孫の話など、もうちょっと出し方を工夫したら、もっと面白かったと思います。

デ・ニーロも、あまり敏腕刑事に見えず、ただの太ったおじさん風。同僚も、すごく太っていたし、アメリカ人は、もっとダイエットすべきですねーー。
ただ、ラストの息子とのシーンは、デ・ニーロならでは。すごく説得力ある演技で、思わずホロッときてしまいました。

この映画を見たのは、「スパイダーマン2」で見たジェームズ・フランコが出演しているからで、どんな演技をするのかと思ったら、すごいジャンキー役でした。痩せているし、メイクのせいもあって、ほんとうにやばそうな男にみえました。でも、どうしようもないような彼の中にも、もうどうでもいいという投げやりな思いと、それと同時に、何とかしたいという意志も感じさせ、好演でしたね〜。(2004,07,13)

欲望という名の列車   1951年 アメリカ          
<監督>エリア・カザン
<出演>ヴィヴィアン・リー マーロン・ブランド
<賞>アカデミー主演女優賞、助演女優賞
<内容>落ちぶれた家を背に、妹を頼りに出てきたブランチだったが、故郷にいられなくなったのには訳があった。しかし、かつてのプライドを保ち続けようとするため彼女は狂気の世界に入り込んでゆく。
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痛ましいほどのプライド、でも、これを失ったとき彼女の生きるすべは、無くなった。かつてスカーレット・オハラを演じた、ビビアン・リーが演じることで、さらに、悲壮感が、漂う。(2000,06)

●作品名インデックスへ
欲望の法則      1987年 スペイン
<監督>ペドロ・アルモドバル
<出演>ユウセビオ・ポンセラ , カルメン・マウラ , アントニオ・バンデラス
<内容>映画監督でゲイのパブロ(エウセビオ・ポンセラ)は、恋人フアン(ミゲル・モリーナ)と別れるのだが、彼への思いを断ち難く思っている。そんなある日、パブロの前にアントニオ(アントニオ・バンデラス )という青年が現れ、二人は関係を持ってしまう。しかし、アントニオの独占欲は、フアンに未練を残すパブロに苛立ち、ある夜、彼は行動を起こす・・・。
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冒頭から、凄いことになってました(^^;。劇中劇と言うことで、結局は、ちょっとユーモラスなのですが・・・。
男と男の世界も、男女の関係と一緒で、なにやらドロドロしています。愛していても、プラトニックであったり、愛する人のためにかいがいしく世話を焼いたり。そして、もちろん嫉妬も・・・。
この映画で、アントニオ・バンデラスは、世界的な注目を浴びた出世作らしいです。そうですね、なかなかの熱演です。あんな事も、こんな事もしちゃってます(^^)。
ですが、私がこの映画で、一番興味をもったのは、パブロの姉?ティナです。彼女の存在は、最初、謎に包まれています。そして、徐々にそのベールがはがれていって、衝撃の事実が・・・(^^;。彼女の存在感は、他の誰よりも強かったですね。
若きアントニオのブリーフ姿もたくさん見られるので、お好きな方はどうぞ・・・(^^;。(2003,07,09)

●作品名インデックスへ
予言      2004年 日本 ホラー   
<監督>鶴田法男
<出演>三上博史 , 酒井法子 , 堀北真希 , 吉行和子 , 山本圭
<内容>妻(酒井法子)と娘(井上花菜)を連れて車で帰省中の里見英樹(三上博史)は、急ぎの仕事のために途中で電話ボックスに立ち寄った。ボックス内でメール送信している間、彼はふと古びた新聞に気がつく。何気なく手にとって読むと、そこには、娘、奈々の交通事故死の記事が載っていた。その時間が今だということに気がついた里見は、あわてて車に戻ろうとするが・・・。
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「感染」との2本立ての映画で、休憩時間もなく、すぐに始まりました。ちょっとつらいかもーー(^^;。

こちらは、切ないホラーです。
目の前で、かわいい盛りの子供を失ったら・・・。まして、そのことを事前に知っていたとしたら・・・。自分のことをいつまでも責めずにいられないでしょう。
そんな親の悲しい思いを描いています。
同じぐらいの年の子供を持つ人には、胸に迫るストーリーでしょうね。

母親役を先日、「呪怨2」の演技でがっかりした酒井法子が演じていました。ということは、ホラー女優としては、結構評価はよかったんですねーー(^^;。今回の役は、まあまあでした。

「感染」とともに、ハリウッドリメイクが決定しているそうです。配役も、トム・ハンクスとか、ジョニー・デップとかが候補に挙がっているそうです。すごいじゃん!でも、リメイクされるのはいいけど、日本映画がそのままハリウッドで上映できないのは、なんか侘びしいですなぁ。
まあ、私も、2本立てじゃなかったら、見に行ったかどうか、そして、それなりに満足できたかどうかは、疑問なのですが・・・(^^;。(2004,10,11)

●作品名インデックスへ
黄泉がえり      2002年 日本 ファンタジー・ホラー  
<監督>塩田明彦
<出演>草なぎ剛 , 竹内結子, 石田ゆり子 , 哀川翔 , 北林谷栄 , 伊勢谷友介 , 長澤まさみ , 田中邦衛 , 伊東美咲
<内容>九州阿蘇で、52年前に行方不明になった少年が突然、その当時の姿のまま、母親の元に帰ってきた。厚生労働省の川田平太(草なぎ剛)は、その後も続くこの不可解な現象を解明するために東京から調査に来ていた。そして、海の事故で亡くなった親友の元恋人葵(竹内結子)に再会し、ある事実に気が付くのだった・・・。
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泣いてしまいました(T_T)。話が、甦りの話なので、覚悟はしていましたが、やはり、泣かされます。人生で、最大の悲しみは、愛する人との別れです。それは、人間ならば仕方のないことなのですが、この悲しみを知っている人ならば、誰でもこれ、甦り=黄泉がえりを望まない人はいないでしょう。切ない再会と別れに胸を打たれます。
映像も美しく、又、色々な再会のシーンも考えさせられました。でも、やはり、死んだ人は、もう死んでしまったのです。一度その別れをした人は、又、元の世界に戻ってゆかなければなりません(そうでなかったら、世の中大変なことに・・・(^^;)。再び大事な人を失うということは、かえって、悲しみを募らせるものかと思いましたが、そうでもなかったようです。
あまりにも伏線がわかりやすすぎたのが、残念ですが、いい映画でした。(それにしても草なぎ君のなぎの字は、本当に出てこないんですねぇ(^^;)(2003,01,19)

●作品名インデックスへ
夜と霧      1955年 フランス ドキュメンタリー
<監督>アラン・レネ
<内容>ヒトラー政権下、ヨーロッパ各地から集められたユダヤ人たち。彼らを乗せた列車がむかったのは、アウシュビッツ他の収容所でした。そして、その後、彼らの身に降りかかった悲劇のドキュメンタリーです。
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このドキュメンタリーを見るには、覚悟と勇気がいります。でも、これが、現実に起こったことだということを知るために、このような記録映画を残すことは、必要なことなのでしょう。

とても平常心では、見られません。
胸が苦しくなって、涙目になってゆきます。
なんでこんな事が行われたのか。
なんの意味があったのか。
犠牲者たちの靴・靴・靴・・・。櫛・櫛・櫛・・・。そして・・・。

収容所に携わり、裁判にかけられたナチスの将校たち。「命令には、逆らえなかった」と証言しています。それならば、どういう気持ちで、命令を遂行したのか、逆に尋ねたいです。
900万とも、1200万ともいわれているユダヤ人犠牲者。
これらの膨大な犠牲を、私はどう受け取り、整理したらいいのでしょうか・・・。
人間の怖ろしさをまじまじと感じさせられる映像でした。

1956年のカンヌ映画祭に出品される予定が、フランスで「映画祭向けではない」という判断が下され、出品が取り消された経緯があるそうです。(2003,10,03)

●作品名インデックスへ
夜になるまえに      2000年 アメリカ   
<監督>ジュリアン・シュナーベル
<出演>ハビエル・バルデム , オリヴィエ・マルティネス , ジョニー・デップ , ショーン・ペン , マイケル・ウィンコット
<内容>キューバに生まれたレイナルド・アレナス(ハビエル・バルデム)は、幼い頃から、詩の才能に恵まれていたが、カストロ独裁政権の下、芸術家であり、ホモであった彼は、激しい迫害の対象となってしまうのだった・・・。
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独裁政権において芸術は、その発想の自由さ故に弾圧される運命にあるのでしょう。
でも、その芸術性は、皮肉にも、その弾圧故に花咲くのかもしれません。彼の才能に感銘を受けた見知らぬ人々によって、彼は、世界的に知られることとなり、結局は、自らアメリカに逃れざるを得なくなるのです。
ここで描かれているレイナルド・アレナスについては、全く知りませんでした。芸術家で、しかも、ホモセクシャルである彼は、生きる場所を見つけるのに、四苦八苦するのですが、彼のことや、キューバ、カストロ独裁政権の流れについて詳しく知らなかったので、ちょっと難しかったです。
映画自体も、彼の内面をあまり表現することなく、淡々と彼の身に起こったことを描いているので、事実の重さばかりが強調されていて、映画としてのおもしろみは、残念ながら薄かったです。ただ、まさしく劇的な人生だったことは、確かで、見終わった後、ガツンと心に響きましたねぇ。
でも、今現在も、政権の座にあるカストロについてここまで描いてしまうのは、実際すごいことですよね。
映画には、この作家に感銘を受けたという、ジョニー・デップ(あぁ、彼もう最高(^^))や、ショーン・ペン(どこに出演していたのか分からず、もう一度見返した(^^;)、そして、オリヴィエ・マルティネスと、出演陣は豪華です。(2005,02,11)

●作品名インデックスへ
夜を賭けて      2002年 日本・韓国 青春  
<監督>金守珍
<原作>梁石日「夜を賭けて」
<出演> 山本太郎 , ユー・ヒョンギョン, 山田純大, 樹木希林, 清川虹子
<内容>1958年、戦後の焼跡の残る大阪で、兵器工場跡地に侵入して鉄くずを拾って売り払う「アパッチ族」たち。久しぶりに町に帰ってきた義夫(山本太郎)も一緒になって金儲けに精を出す。しかし、次第に警察の取り締まりがきつくなってゆくのだった・・・。
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パワフルな在日の映画で圧倒されました。実は、戦後の大阪を舞台にした映画としか認知してなかったので、ちょっとびっくりしたのです。でも、よく見れば、原作が梁石日さん。彼の「血と骨」という本を読んだことがあるのですが、この映画は、そのイメージそのままです(映画の原作は違います)。この力強さ、このたくましさ、この騒々しさ!(^^)。当時違法だった鉄くず拾い。それで一攫千金をもくろむアパッチ族。彼らは、戦後のたった1年間しか存在しなかったそうなのですが、その一生懸命さが、スクリーンを通して伝わってきます。そして、一生懸命なだけにまた、ユーモラスでもあるのです。なかなかの圭作でした。ただ、少し時間が長かったのと、当時のことを知らない人に説明がほとんどないので、少々わかりにくいところがあったのが残念でした。(2002,12,23)