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小さな中国のお針子      


2002年 フランス 伝記・コメディー・ロマンス

<監督>ダイ・シージエ
<キャスト>ジョウ・シュン , リィウ・イエ , チェン・クン

<ストーリー>
文化大革命の中国。医者の親を持つ青年、マー(リィウ・イエ)とルオ(チェン・クン)は、再教育のため、山奥の村に送り込まれた。その村で二人は、肉体労働を強いられるのだが、そんな辛い日々の中、二人は、隣村のお針子の少女(ジョウ・シュン)と出会う。彼らは、他の再教育の青年から、禁書である本を盗み、少女に読んで聞かすのだが・・・。

<感想>
原作者であるもダイ・シージエ監督の体験を反映して描かれた映画です。

文化大革命は、1960年代後半から1970年代前半まで、毛沢東らが引き起こした権力闘争で、その間に約1000万人以上もの大量虐殺が行われたともいわれています。
この映画の主人公であるマーとルオも、親が医師というだけで、山村での再教育を受けさせられることになりました。西洋文学は、禁書として燃やされ、数少ない娯楽である映画も、朝鮮や、アルバニアという、限られた国の映画しか見ることが出来なかったのです。

文化大革命の時代の中国を描いた映画は、「シュウシュウの季節」「覇王別姫 さらば我が愛」「活きる」などがありますが、どれも時代の波に翻弄される人々の悲しい話でした。
この映画も、同じ時代の話ですが、主人公たちが若く、コメディータッチでもあるので、それほど重い気分にはさせられないで済みました。
やっぱり若いということは、どんな情況に置かれても、それを受け入れながらも、明るい未来を想像させる力がありますねぇ。
映画自体も、ヴァイオリンを演奏させたり、禁書である本を手に入れたり、そこに出てくるドレスをまねて女の子たちに洋服を作ったりと、結構のびのびした雰囲気もありました。

映画の原作は、「バルザックと小さな中国のお針子」なので、バルザックがお針子に一番強く影響を与えたということでしょうか。バルザックの「従妹ベット」は、映画にもなっているので、一緒に見てみるのも、面白いかもしれないですね〜。(2007,03,06)



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