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つぐない      


2007年 イギリス ロマンス・戦争   

<監督>ジョー・ライト
<キャスト>キーラ・ナイトレイ , ジェームズ・マカヴォイ , シアーシャ・ローナン , ロモーラ・ガライ , ヴァネッサ・レッドグレーヴ , ブレンダ・ブレシン , ジーナ・マッキー , アンソニー・ミンゲラ , ベネディクト・カンバーバッチ

<ストーリー>
1935年、夏、イングランド。上流階級の家の娘で、13歳のブライオニー(シアーシャ・ローナン)は、帰省してくる兄のために、劇を書き上げた。ブライオニーの姉、セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、大学卒業後の進路が決まらずに家にとどまっていた。同じ大学に通っていた使用人の息子、ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)は、大学に残り、医学を志していた。そんなある夜、ブライオニーの従姉妹、ローラが、レイプされてしまう。ブライオニーは、ロビーが犯人であると、告発する・・・。

<感想>
公開前からずっと見たかったのに、時間が合わなくて、なかなか見ることができず、やきもきしましたが、、やっとやっと見ることが出来ました。
原作は、イアン・マキューアンの「贖罪」です。原作は、まだ未読ですが、映画が、この原作に忠実だとすると、やはり、傑作ですね〜。とても、感動しました。

予告編で、何回も見たシーンが、本編で繋がり、どうして、こういうシーンになったのかが、分かりましす。映画の中でも、時間的に前後したり、視点が違っていたりと、少し凝った作りになっていましたが、決して分かりにくいわけではありません。前後することで、かえって、なるほど、こういう事だったのかと、深く納得できました。

そして、ロビーの苦難が始まり、私たちは、戦地に彼の姿を見ることになります。そして、セシーリアの姿も・・・。このあたりは、結構意外な気がしたのですが、それなりに、納得もでき・・・。
その後、長い時が経って、作家となったブライオニーが、これら一連の出来事を本にするのです・・・。

前半は、セシーリアとロビーの、突然燃え上がる恋と、身に覚えのない断罪。二人の気持ちが痛いほど分かって、切なくて、胸が張り裂けそうでした。そして、後半は、その真実の悲しみに、胸が打ち震えました。

このストーリー展開は、本当にすばらしくて、悲しくて、感動して、号泣しそうになりましたが、満席近い映画館だったので、必死に押さえました。でも、エンドロールの間も、悲しみがつのるばかりでした(TT)。

音楽が、また、不安をかき立てるような韻律で、それに重なるような、不快な虫の羽音、不穏なタイプライターの音・・・。
「プライドと偏見」の監督だけあって、この映画も、舞台となる家や、調度品が上品で、女性たちの繊細な衣装にも、うっとりしました。

配役も、よかったです。
キーラ・ナイトレイは、美しく勝ち気。ジェームズ・マカヴォイは、誠実な中に豊かな感情を持ち、13歳のブライオニー役のシアーシャ・ローナンは、少女の潔癖さと女性のしたたかさ怖さを併せ持っていました。最後に出てくるヴァネッサ・レッドグレーヴも、さすがの演技でしたね〜〜。

映画を見てしまったけれど、やっぱり、原作も読みたくなりました。(2008,05,21)



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