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めぐりあう時間たち      


2002年 アメリカ (THE HOURS)
ロマンス   

<監督>スティーヴン・ダルドリー
<キャスト>ニコール・キッドマン , ジュリアン・ムーア , メリル・ストリープ , スティーヴン・ディレイン , ジョン・C・ライリー , トニー・コレット , エド・ハリス , クレア・デインズ 

<ストーリー>
1923年、作家のヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は、「ダロウェイ夫人」を執筆していた。1951年、ロサンジェルスに住むローラ(ジュリアン・ムーア)は、夫の誕生祝いのためのケーキを作っていた。2001年、ニューヨークのクラリッサ(メリル・ストリープ)は、リチャード(エド・ハリス)の授賞式の後のパーティーの準備に忙しかった・・・。

<感想>
というわけで、「ダロウェイ夫人」を見てから、どうしても、もう一度この映画を見直したくて、ネットレンタルしました。
以前見た時の自分の感想を読むと、作品を全く分かっていなかったのが丸わかりで、赤面の至りでございます(^_^;。
でも、「ダロウェイ夫人」とは、どういう小説なのかを知らなかったわけなのだから、それも致し方なしですね。
今回も、映画を見ただけで、小説を読んだわけではないの十分ではないですが、以前より、ましな見方ができたように思います。

映画は、時代の違う三つの話が並行して進んでゆきます。
三つの話には、どれも「ダロウェイ夫人」という共通項があり、また、死の影が色濃く付きまとっているところも同じです。
率直に言うと、彼らは疲れ、そして病んでいるのです。
その原因は様々で、誰が、何が悪いというわけではないのですが、いったんその方向に向いてしまうと、なかなか逃れがたいやっかいな病なのだということでしょうか。
そしてそれは、本人だけにとどまらず、周りの人間にも大きな悲しみと苦しみをもたらしてしまうのです。
ヴァージニアは、実際に躁鬱病だったということで、彼女の死に際は、映画の通りだったらしいです。
「ダロウェイ夫人」を見た時に、あるシーンで、彼女が死んでしまうのではないかとドキッと思ったところがあったのですが、やはりそれは正解だったようでした。
「・・・その代わりに他の人を死なす・・・」なるほど。

なにしろ、キャストが名優揃いで、ため息ものの映画です。
どのシーンも、素晴らしい。
主演のニコール・キッドマンは、付け鼻をしているせいか、ほとんど”ニコール”臭さを感じさせることなく、地味なヴァージニア・ウルフになりきっています。

監督は、何回も繰り返し見て欲しい映画だと言っていましたが、小説を読んでからまた鑑賞してみようかなと思いました。(2016,10,14)



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